2024/4/24

【独占取材】AI業界を騒がせる、話題の半導体ベンチャー

NewsPicks編集部 記者
このスピードは、「革命」だ──。
先週末から、生成AI界隈が騒然としている。話題をさらっているのは、Groq(グロック)という企業だ。
2016年創業のスタートアップで、彼らはエヌビディアのGPUに代わる最先端の「AI半導体」を開発している。
この会社のことを、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOも強く意識しているようだ。
今年3月に行われた、150人の記者とのQ&Aセッション。どんな質問にもにこやかに即答していたフアンCEOが、一度だけいら立ったような表情を見せ、数秒黙り込んだ瞬間があった。
記者が「GroqのようなAI半導体スタートアップをどう思いますか?」という質問を投げかけたときだ。
Groqの特徴は、そのスピードにある。
彼らの半導体を使うと、AIによる「レス」が高速になるということで、生成AIサービスの開発者たちがざわついているのだ。
記者も試してみたところ、同じ質問でもChatGPT(エヌビディアのGPU上で動く)だと回答が完了するまでに28秒かかったものが、Groq上だと3秒で返ってきた。
あまりの速さに、「Groqを体験すると、ChatGPTがじいちゃんに思えてくる」と言われるほどだ。
Groq(左)とChatGPTで同じ質問をしたときの比較(出典:Groq)
NewsPicksは、そんな話題のAI半導体企業Groqの創業者兼CEOジョナサン・ロスへの独占インタビューに成功。
実は日本でもデータセンターの建設を検討しており、実現に向けてデータセンター事業者や電力会社などと話をしている最中だという「日本上陸構想」についても特別に明かしてくれた。
エヌビディア1強のAI半導体市場で、Groqはどう牙城を崩すつもりなのか。最旬スタートアップにたっぷりと話を聞いた。
INDEX
  • GPUの弱点は「レスの遅さ」
  • AIに特化した「超速のクラウド」
  • GAFAMも「エヌビディア依存は嫌」
  • データセンター「日本は有力候補」
  • 「最先端」の製造技術に頼らない
  • グーグルの半導体開発裏話
  • エヌビディアを倒す「秘訣」
  • 「アルファ碁」がヒントに