744自治体、消滅可能性 4割超、30年間で女性半減
コメント
注目のコメント
民間組織「人口戦略会議」の報告書、というとどこがやっているのかかわりにくいですが、日本商工会議所がやっている事業ですね。
日本商工会議所は、経団連や経済同友会に比べると、各地の商工会の代表の集まり、という性格が強いといえるでしょう。
2014年に提言「ストップ少子化・地方元気戦略」を発表して話題になった日本創成会議は、経済産業省のシンクタンク、生産性本部の事業です。
多少立場が違う別組織からの提言ですが、2014年の「ストップ少子化・地方元気戦略」のようにはいわなくなっていて、「2100年に8000万人で人口が定常化することを目標とすべき」という主張です。
これはかなり楽観的な数字で、「そのためには、2040年ごろまでに(合計特殊出生率を)1.6、2050年ごろまでに1.8に到達することが望まれる」ともあります。
合計特殊を上げる手段として、「子育て支援」以外は特に示されていません。
また、人口が減り、自治体も減る、という予測ですが(これは数字の上では確実にそうなりますが)、それへの対処も、「生産性の低い企業、産業、地域の構造改革」しか主張されていません。
高齢化が進んで人口が減っている社会ほど、自主的な「構造改革」は難しくなるのですよね。
なお、日本の自治体の数は、「平成の大合併」で、
1999年 3232
→2010年 1727
と減っています。
ここからさらに744減るとして、どう畳んでいくのか、インフラなどをどう放棄、集約していくのかも、「提言」されていません。
提言書「人口ビジョン2100」を取りまとめ、公表(人口戦略会議)
https://www.jcci.or.jp/news/trend-box/2024/0110133237.html地方都市での男性に比べて女性が減るのは自然減だけではなく、都心への流出も大きな要因。仕事が無い、子育てはこうあるべき、といった女性に対する保守的な社会の規範が強いところほど、女性が生きづらく、戻らない傾向があります。それに気づいてジェンダー対策を取っている豊岡市のようなところも存在しますが、今後はそういった視点の政策も、都市の生き残りを左右しそうです。
20~39歳の女性が減少すれば人口が減少する、というのは政府の立場からは発信しにくいメッセージ。いい方を間違うと「女性はこどもを産むために生きているのではないとお叱りを受けるからです。
だから、こども家庭庁もさまざまな対策が人口政策だとダイレクトに言わず、「希望出生率の引き上げ」だとか「希望出生率と合計特殊出生率の差分の最小化」などの表現をとって政策のねらいを説明しているという訳です。
政府の政策を評価する立場の私からいいたいのは、人口が減少しても持続可能な地方行財政の基盤作りを急いで備える必要があるということです。そのポイントは、シンプルに地方におけるDXを推進することであり、地方都市が必要に応じて広域連携できる体制作りを急ぐことです。
詳細は、私が委員を務める「国と地方のシステム」ワーキンググループとして、昨夜経済財政諮問会議にビジョンを提示してあります。
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0419/shiryo_05.pdf