(ブルームバーグ): 米経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、一部の従業員にユニークな提案を行った。それは、9カ月分の給与を受け取って退職せよというものだ。
マッキンゼーは、退職を希望する一部の英国の授業員に対し、9カ月分の給与と共に、キャリアコーチングサービスなどのリソースも提示している。これは同社内部で進められている最新の人員整理となる。この動きについては英紙タイムズが先に報じていた。
マッキンゼーはこの直前、一部の北米在勤のコンサルタントに対し、昇進するための時間がなくなりつつあると通知していた。同社は従業員に対し、業界の不文律とされる「アップ・オア・アウト(昇進するか、さもなくば退職せよ)」の圧力を強めている。
マッキンゼーなど需要コンサルティング会社は、顧客の需要が減少する中、ここ1年で人員を削減し、新卒者の入社日を延期するほか、採用ペースを落としてきた。
マッキンゼーの広報担当者は電子メールで「今回の措置は、業績管理や能力開発のアプローチをできるだけ効果的なものにし、それを思いやりのある支援的な方法で実施する継続的な取り組みの一環だ」と説明した。
今回の提案の対象となるのは、顧客向けプロジェクトでコンサルタントのチームを率いるエンゲージメントマネジャーや、アソシエートパートナーだと、タイムズ紙が事情に詳しい匿名の関係者を引用して伝えた。また、米国在勤のマネジャーも同様の提案を受けているという。今回の提案の対象者が全体で何人になるかは不明。
マッキンゼーは昨年に異例の人員削減に着手した。サポートスタッフを中心に約1400人を削減する計画で、削減総数は従業員全体の約3%に相当する。広報担当者は同社が「引き続き積極的に募集や採用を行っていく」とコメントした。
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原題:McKinsey Offering Some Staff Nine Months’ Pay to Leave Firm(抜粋)
(3段落目の動きについて説明を補足します)
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