2024/3/30

【小林製薬】5人死亡の「紅麹」に何が起きていたのか

「当社が製造する『紅麹(べにこうじ)』を摂取することによる腎疾患等の発生により、非常に多くの皆様にご心痛、ご不安をおかけしており、社会問題にまで発展していることを深くお詫び申し上げます」
「紅麹」を使った健康食品が大きな波紋を広げている小林製薬(本社・大阪市)が29日、大阪市内で記者会見を開き、小林章浩社長が謝罪した。
同社が「悪玉コレステロールを下げる」とうたう機能性表示食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した。28日午後10時時点で5人が死亡し、114人が入院したことがわかっている。
大阪市は27日、亡くなった人が摂取していたことがわかっている「紅麹コレステヘルプ」を含む3つの製品について、小林製薬に対し食品衛生法に基づき回収を命じる行政処分を出した。
今後は、国の研究機関が小林製薬から製品のサンプルやデータの提供を受け、原因究明を進める。
影響は小林製薬にとどまらない。同社から紅麹原料を購入して製品を作っている企業は52社、そこからさらに紅麹原料を入手している企業は173社に上る。
小林製薬の紅麹原料を使用していたメーカーなどは自主回収を始めている。
ファミリーマートは28日、弁当や惣菜など3商品を売り場から撤去すると発表した。
紅麹は、米などにこうじ菌の一種である紅麹菌を混ぜ、 発酵させてつくられ、古くから食品や漢方、着色料などとして使われてきたものだ。
小林製薬の紅麹製品のどこに問題があったのか。同社の対応は適切だったのか。会見の内容を3つのポイントに絞ってお届けする。
INDEX
  • 判明した「未知の成分」
  • 消費者と取引企業への補償は
  • 公表はなぜ遅れたのか

判明した「未知の成分」