2024/3/28

【読書】日本に必要なのは「変化を受け入れる力」である

NewsPicks編集部
NewsPicks編集部が、本の要約サイト「フライヤー」とコラボし、話題の書籍の要約をお届けする連載「10分読書」。
今回は『訂正する力』(朝日新聞出版)をお届けする。
ぜひ、日常のひとときで新たな知識を手に入れてほしい。(4611文字)
(写真: lemono/Gettyimages)
INDEX
  • なぜ訂正する力は必要か
  • 「じつは……だった」のダイナミズム
  • 訂正する力とは文系的な力
  • 「喧騒のある国」を取り戻す

なぜ訂正する力は必要か

日本にいま必要なのは「訂正する力」である。
日本は、政治が変わらず経済も沈んだままで、行き詰まっている。「大胆な改革が必要だ」とメディアは叫ぶが、何も進展してはいない。
もし日本が変わるとしたら、そこで必要なのは「トップダウンによる派手な改革ではなく、ひとりひとりがそれぞれの現場で現状を少しずつ変えていくような地道な努力」だろう。
そういった小さな変革を後押しするためには、蓄積されてきた過去を「再解釈」し、現在によみがえらせるための哲学が必要だ。
本書が言う「訂正する力」とは、そうして「現在と過去をつなぎ直す力」のことだ。
日本には「変化=訂正を嫌う文化」がある。
💬 政治家は謝らず、官僚はまちがいを認めない。

💬 決定された計画を変更しようとしない。

💬 ネットでは過去の発言と矛盾すると炎上する。
異なる立場の人たちが対話によって少しずつ意見を変えていくこともできず、政治的な議論が成立しなくなっている。
だからこそ、「まちがいを認めて改めるという『訂正する力』」が必要なのだ。
(写真: simplehappyart/Gettyimages)