2024/3/22

【核心】ユニクロは「リサイクル」でも稼ぐ

NewsPicks 記者
サステナビリティは、マストである。
この5年でこの認識は広がり、サステナは、企業にとってのイメージ戦略から、取り組まなければならない「責任」へと変貌した。上場企業は毎年サステナレポートを年に1回公表する必要があり、多くの日本企業も真剣に取り組み始めている。
ただ、それでもまだ企業経営の「本丸」にはなれていない。
というのも、特に日本ではサステナ全般を「お上から言われたからやっている」という雰囲気があり、世界を見据え、ビジネスへと昇華させている企業はまだ少ないからだ。
しかし、今、この領域で本気を見せる企業がある。
「ユニクロ」で知られるファーストリテイリングは、すでに海外の売り上げが過半数を占めるなかで、サステナビリティの領域をもビジネスへと転換しつつある。
その象徴が「リサイクルダウン」だ。
これは、東レによる独自技術を用いて、効率的にリサイクルしたダウンを100%素材にした商品であり、2020年から発売し、今まで4年続く定番商品になった。
ただ、リサイクルによって生まれた商品を「定番」とし、ビジネスとしてサステナブルに軌道に乗せるのは簡単ではない。
今も試行錯誤を続けるユニクロのリサイクルの現場を直撃した。

最少人数で工場を稼働

(写真:冨岡久美子)
東京から3時間、滋賀県大津市にある東レの瀬田工場を訪れると、入ってすぐ、ダウンを圧縮して梱包したロールが集められている様子が目に留まる。
これらがこれからリサイクルされるダウンだ。
この工場では、ユニクロのウルトラライトダウンからダウンを取り出し分離回収する自動装置を稼働させている。