[北京 5日 ロイター] - 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日開幕し、李強首相は2024年の経済成長率目標を5%前後に設定すると表明した。また、国の発展モデルを転換させ、企業の余剰能力を抑え、不動産部門のリスク解消や地方政府の無駄な支出削減に取り組む方針を示した。

李首相は就任後初となる政府活動報告で「われわれは最悪シナリオを見失うことなく、全てのリスクと課題に備えるべき」と訴えた。

「とりわけ成長モデルの転換を推進し、構造調整を進め、質を改善して成果を高める必要がある」と語った。

今後の具体的な変革策は示さなかった。

成長率目標については「雇用や所得を押し上げ、リスクを予防・解消する必要性を考慮に入れた」とし、積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施するとした。

政府活動報告は24年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比3%に設定。23年の約3.8%から縮小した。

ただ、通常予算には含まれない特別国債を1兆元(1390億ドル)発行するとした。

地方政府特別債発行枠は23年の3兆8000億元に対し、3兆9000億元に設定。また、インフレ目標を3%に設定したほか、都市部で1200万人以上の雇用を創出し、失業率を5.5%程度に維持することを目指す。

李首相はまた、習近平国家主席が打ち出した「新たな質の生産力」の概念に沿っての技術革新と先進的な製造業に引き続き資源を投じる方針も示した。

*内容を追加しました。