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2015/5/13
28回にわたり展開してきた就活特集。最後は「楠木建のキャリア相談」が人気の楠木建教授に締めていただこう。あまたの学生を社会に送り出してきた楠木教授がたどり着いた就活論とは?
学歴や情報量などによる“就活格差”が拡大しているといいます。この特集の連載記事を見ると「ハイエンド学生の情報力」「早くやったもの勝ち」「稼ぐならリクルート、ハクづけなら外資コンサル、本命は三菱商事」といった話が並んでいました。どうでもいい話です。心の底からそう思います。
ケータイがスマホになるとか、物事の表層は変わりますが、本質はあまり変わらないのが人の世の中の常です。今の就活生がまだ生まれていなかった昔の話ですが、僕が大学生だった頃も今と同じような「格差」がありました。やはり東大や有名大学の学生が優遇されていました。その後、海外の事情も知るようになりましたが、日本以上に露骨な学歴偏重の国も少なくありません。
もうだいぶ前の話です。グーグルが日本でも大いに注目されるようになった6〜7年前、当時日本法人の社長だった辻野晃一郎さんから聞いた話ですが、「グーグルは学歴と成績を基準に人を採る」とのことでした。
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コメント
注目のコメント
学歴で見るのは「スポーツやるならまずは足が早い方がいい」という表現が秀逸すぎる。足が早くても技能が身に付くかは分からないが、ポテンシャルとしての運動神経はいいということ。
また、就職人気ランキングは「誰も食べたことのないラーメン店ランキング」という例えも。
こういう分かりやすい、かつ本質を捉えた例えが使えるようになりたいものですなるほど。食べた事のないラーメンランキングですか。紙のプロレスとか文系野球みたいで自分にはむしろ倒錯した魅力的なランキングにも思えます(笑)。ただ「ネタ」としてではなく「ベタ」に受け取る学生がいるんでちょっと困った側面も。
よく食べログが流行ったんで病院の食べログ的な口コミサイトを作りたいと言う方にお会いするのですが、自分が言うことは2つ。
①レストラン以上に情報の非対称性が大きく、結局「愛想がいい」という部分に収斂してしまう。
②レストランと違い1人の人間が沢山の数十もの病院に通うことはない。なので色々な病院を患者目線で確かめたという信用に足る人が構造上生まれにくい。
就職についてもそう。1人が「中の人」として経験できるのは数社。社会人になりある程度の視野は広がったとしても、同業者は評価できても他業種は評価が難しい。だから社会人になっても「ランキング」にすると結局のところ芸能人好感度ランキング位、当たり障りのないものになってしまう。
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