2024/2/19

【決算解説】電通vsサイバー、ネット広告頂上決戦の新局面

NewsPicks 副編集長
ネット広告の覇権をめぐり、電通グループとサイバーエージェントの争いが激しさを増している。
電通グループは2月14日、2023年12月期の本決算を発表した。
上場来の過去最高を更新した2022年の好調ぶりが一転、最終利益は赤字に転落という結果に終わった。
地域別で最大の収益を稼ぐ国内事業では、マスメディア広告の縮小が止まらないうえ、成長領域であるはずのネット広告までがマイナスとなった。
東京・汐留の電通グループ本社(Photo: AFP=時事)
一方、ネット広告で双璧を成すサイバーエージェントは、業界平均を上回る成長を続けている。
さらに電通グループの場合、収益の6割を占める海外の影響も大きい。
広告大国のアメリカでは、これまで広告予算が豊富だった金融やテクノロジー業界の支出が急減
一度は立て直したかに見えた日本以外のアジア太平洋地域では、2019年に続き、2度目となる巨額の減損損失を計上するなど、意欲的な拡大戦略が裏目に出た形だ。
電通グループの決算を振り返りながら、激しさを増す広告業界の競争の今をお伝えする。
INDEX
  • 海外ビジネスが総崩れ
  • 矢継ぎ早のM&Aが裏目に
  • サイバーに負けたネット広告
  • 脱「価格競争」の生きる道
  • 博報堂にも変化の大波

海外ビジネスが総崩れ