2024/3/14

【激論】アルツハイマーは「血液検査」で早期発見できるのか

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NewsPicksでは平日の毎日、世界のトレンドの背景を追う連載シリーズを開始しています。木曜日は「The Next Big Thing(次のサイエンス)」です。
INDEX
  • バイオマーカーで「簡単に診断」
  • 拙速な動きに批判噴出
  • 「アミロイド」だけが危険因子?
  • 作業部会に「利益相反」の疑い
  • アルツハイマー病のパンデミック

バイオマーカーで「簡単に診断」

アルツハイマー病の診断には、幅広い検査を行うのが普通だ。
医師は患者の病歴を調べ、症状を聞き取り、言語や視覚の認知テストを実施する。
患者はPETやMRI、腰椎穿刺(📍)などを受けることもある。
📍腰椎穿刺(ようついせんし)
麻酔をした状態で、腰のあたりに針を刺し、脳と脊髄の周りを流れる髄液を採取する
腰椎穿刺は、脳内にアルツハイマー病に関連するタンパク質(アミロイド斑やタウタンパク)がないかを診るための検査だ。
(champpixs/Getty Images)
しかし、アルツハイマー協会の作業部会が提案する新たな基準が広く採用されれば、すべてが変わるかもしれない。
症状や行動に基づく診断から、バイオマーカー(病気を示す体内物質)を活用した、生物学的な要素にのみ基づく診断へ。
この流れはもう始まっているが、最終提言が出る予定の2024年後半以降、変化はさらに加速するだろう。