2024/1/29

【疑問】スマートウォッチは、私たちの健康を救うのか?

先ごろ、Apple Watchの一部機種から「血中酸素ウェルネスセンサー」という機能が消えた。
これは、皮膚を通してユーザーの血中酸素濃度(血中酸素飽和度=SpO2)をモニタリングするというものだ。一般的にはパルスオキシメーターと呼ばれる。
この機能については、昨年秋から特許問題が浮上していた。
🍎Apple Watchの特許問題

2023年10月、血中酸素ウェルネスセンサーが、米医療器具メーカー「マシモ(Masimo)」の特許を侵害しているとして、ITC(米国国際貿易委員会)はApple Watchの米国への輸入禁止を命じた。

これを受けて、アップル社は同年9月に発売した最新機種「Series 9」と「Ultra 2」の米国での販売を一時停止。

その後、これらの機種から同センサーを取り除く(ソフトウェア制御により使用不能にする)という、異例の措置に踏み切った。
問題が解決に向かうまでには1年近くかかるとみられており、当面、Apple Watchの新機種では、血中酸素濃度が測定できないことになる。
もっとも、このセンサーは、Apple Watchの上位機種に搭載されている豊富な機能のひとつにすぎない。この問題だけで、同製品の売り上げが著しく落ち込むようなことはないだろう。
Michael M. Santiago/Getty Images
一方で、この問題は「スマートウォッチによる健康管理」を改めて考えるきっかけになる。
結局、スマートウォッチに必要な機能とは何なのか。スマートウォッチに大量のデータを渡すことで、ユーザーにはどんな良いことがあるのか──。
NewsPicksトピックス「ChatGPTと考える医療の新常識」のオーナーであり、テック好きを自任する、順天堂大学の髙橋宏瑞医師に解説してもらった。
INDEX
  • その機能、本当に必要?
  • 「医療との共同研究」の成果
  • 「AI時代の医療」のカギに

その機能、本当に必要?