2024/1/25

【半導体】AI時代、味の素が無双企業になっていた

NewsPicks マクロ・マーケット担当記者
今、世の中で売られているパソコンに、かつての「インテル入ってる」ばりに、いやそれ以上に「味の素入ってる」状態なのを、知っているだろうか。
味の素が手がける半導体向けの絶縁体材料ABF(味の素ビルドアップフィルム)はパソコンの半導体でシェアがほぼ100%。
NVIDIAに代表される、今をときめくAI向けやデータセンター向けの超高機能半導体でも同程度のシェアを握っている。
あまりの無双状態に、利益率が約50%もあるABFは今後、味の素の屋台骨になると期待されている。
2030年には利益の半分を食品以外で儲ける計画を立てているが、その牽引役がこのABFと医薬品の製造受託事業(CDMO)。
食品とは一見、全く無縁のようなABFはなぜ、どうやって味の素から生まれ、独占状態を築けたのか。
その源流を探ると、「味の素の強さ」が見えてくる。
INDEX
  • 副産物が魔法の材料に
  • 切り替えたくても切り替えられない
  • AI時代に勝機
  • 最先端医薬でも「味の素入ってる」に
  • 同じ轍を踏まない