郵船、紅海での全船舶の運航を停止

[ロンドン１６日ロイター] - 日本郵船は１６日、紅海での全船舶の運航を停止したと発表した。また、紅海付近を航行する船舶に対し安全な海域で待機するよう指示したほか、航路変更を検討しているとした。

日本経済新聞は１６日、郵船、商船三井、川崎汽船の国内海運大手３社が同日までに全ての船種について紅海を通航しないことを決めたと報じた。

注目のコメント

塩崎悠輝
静岡県立大学国際関係学部准教授
・2024年01月17日
米軍、英軍がイエメンのフーシー派に対する空爆を開始して以来、フーシー派による紅海を通る船舶への攻撃はいよいよ活発になっています。
　フーシー派は、米国、英国とその同盟国が関係する船舶は攻撃対象にすると宣言しており、イスラエル関係に限らず、広い範囲の民間船舶が攻撃対象になっています。
　死者は出ていないとはいえ、ミサイルなどが当たるタンカーや貨物船は、連日出ています。

エクソン・モービルなど、世界的な大手もまた紅海を通るルートでの運航停止を決定しており、日本郵船の決定もそれに倣ったものでしょう。
松田琢磨
拓殖大学商学部国際ビジネス学科教授
・2024年01月18日
紅海の通航回避については，コンテナ船が先行していましたがほかの船種でも回避する傾向が強まった形です．

ちなみに，紅海情勢を受けて，ボルボではギアボックスの調達が遅れてベルギーの工場が停まっているとのFT記事がありました．ミシュランでも欧州工場の停止について言及がありました．

コンテナ運賃は迂回で需給が締まったこともあり，欧州向け地中海向けに限らず運賃は上昇傾向にあります．

ただ，基本的に船腹が多めであること，そこまで需要が強くないこと，競争当局が値上げについて警戒を強めていることなどもあり，春節前のピークを過ぎれば運賃は落ち着くのではないかと見ています．

https://www.ft.com/content/e508268c-57b0-4680-83d2-b9a105a31a66
黒瀬浩一
りそなアセットマネジメント株式会社チーフストラテジスト　チーフエコノミスト
・2024年01月17日
イスラエルが今のペースで攻撃を続けたら武器が数カ月以内に払底します。そうすると過激派組織も英米の船を攻撃する大義名分がなくなります。深刻な事態ではありますが、先に明るい光は見えている、金融市場ではこんな見立てをしています。