2024/1/17

【戦慄】あまりにも周到な、中国の「台湾統一シナリオ」

キヤノングローバル戦略研究所 主任研究員
これは、21世紀の大国の宿命なのか。
今、米中は政治や経済など、あらゆる分野で「価値観レベル」の対立を繰り広げている。
両者の激突がもしも「紛争」にまで発展したら──。
その現場として最も危惧されているのが、日本の目と鼻の先、台湾だ。
独裁色を強める中国の最大の悲願こそ、台湾統一。習近平は今や、その野心を隠そうとすらしなくなっている。
アメリカでは政府高官から有識者まで、2025年にも「米中激突」が現実化するとの見方が飛び出している。
日本にいると、本当に台湾が戦場になる雰囲気はないようにも思える。しかしアメリカの政策コミュニティの危機感は、日に日に増しているのだ。
中国は、台湾有事を引き起こすのか。だとすると、それはどんな方法になるのか。
米中の高官と交流があり、膨大な内部資料を元に中国軍の戦略分析を進める峯村健司氏が、その全貌を読み解く。
習近平が描く戦術は戦慄するほどに用意周到で、この上なく厄介なもののようだ。
INDEX
  • 習近平が、経済より重視するもの
  • タイムリミットは「2027年」か
  • トリガーは「今年中」にある
  • シナリオ:①海上封鎖と「法律戦」
  • シナリオ:②兵糧攻めで「心を潰す」
  • 米軍すら、準備できていない
  • 習近平を止める、唯一の方法