Mark John

[15日 ロイター] - 非政府組織(NGO)オックスファムは15日公表の報告書で、世界で最も裕福な5人の総資産が2020年比で2倍超の8690億ドルに増えた一方、全世界で50億人が以前より貧しくなったと指摘し、各国政府に富の集中是正策を講じるよう呼びかけた。

報告書は15日開幕の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に合わせて発表。世界の企業上位10社のうち、富裕層が経営者あるいは主要株主の企業が7社を占めているとした。

各国政府に対し、独占企業の解体や超過利潤および過剰な富への課税導入、社員持ち株制度など株主による支配に代わる制度の推進によって、企業の権力を抑制するよう呼びかけた。

最も裕福な5人は米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンCEOのベルナール・アルノー氏、米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、米オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏、著名投資家ウォーレン・バフェット氏で、インフレ調整後の資産が大きく増えた。

一方、過去2年間で8億人近い労働者の賃金の伸びがインフレ率に追いつかず、年間で労働者1人当たり平均25日分の所得が失われたと指摘した。