2024/1/11

【注目】生活習慣病に抗うイノベーション

花谷 美枝

NewsPicks 編集部 記者・編集者

高齢化の進展により、医療費が増大しています。

厚生労働省が昨年10月に発表した令和3（2021）年の国民医療費は45兆円で、前年度から4.8%増加しました。国の推計によると、医療費は2040年には約70兆円まで拡大するそうです。

医療費の7割を占める医科診療医療費の内訳を見てみると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で36%を占めています。

生活習慣病はその名の通り、普段の生活習慣が発症に大きく関わる病気です。病気になる前、あるいは早期の段階で、食事や睡眠、運動など日常の生活を改めていくことが求められます。

しかし、わかっていても生活を改めることは容易ではありません。体質など個人差もあります。

将来の健康のために日々の生活習慣や行動を変えることはできるのか。あるいは、生活習慣病の治療を大きく前進させるイノベーションはあるのか。

記者が注目している生活習慣病に関連する3つのトピックにフォーカスして見ていきます。

INDEX

• 生活習慣病アプリの時代が到来
• 肥満症の30年ぶり新薬
• あのバイオ銘柄がついに

生活習慣病アプリの時代が到来

生活習慣改善のための対策は様々ありますが、記者が個人的に期待しているのが「治療用アプリ」です。人間はテクノロジーで生活習慣を改めることができるでしょうか。

コメント

注目のコメント

• 花谷 美枝

  NewsPicks 編集部 記者・編集者

  ・2024年01月11日

  製薬業界は、薬不足や高額薬の登場などさまざまな問題を抱えていますが、新年のコラムは個人的に注目する生活習慣病に関連したイノベーションを3つ紹介させていただきました。
  年齢を重ねるごとに生活習慣病の心配が募ってくるのですが、一方で生活習慣をあらためることは非常に難しいと感じています（だから痩せません）。人間の行動を変えるというのは非常に難しいことですが、ゆえに治療用アプリには大いに注目しています。
• 山田 悠史

  マウントサイナイ大学 アシスタントプロフェッサー

  ・2024年01月11日

  こちらで紹介されている「生活習慣病アプリ」も「肥満症の新薬」もそうですが、厳しい見方をすれば問題の下流を個人レベルで軌道修正する介入に大きなインパクトを残せる可能性は低いです。「イノベーション」と言っても社会的なインパクトはたかが知れたものになってしまう可能性が高いと考えられます。
  
  逆に、本来投資とイノベーションが求められるのは、物事のより上流の部分ですが、より介入が複雑になるため、イノベーションは起こりにくい。結局のところ、当面大局は変わらないと見ています。
• 小野田 博樹

  介護法人 理学療法士・ケアマネジャー・NewsPicksOUTPUTCAMP修了・ 社労士勉強中

  ・2024年01月11日

  スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスで活用できれば週間自体はかなり改善できそう。
  
  最近スマートウォッチつけ始めたけど利便性の高さに驚いてます。
  
  生活習慣病は本当にQOLを下げるので、生活習慣病リスクみたいなのが可視化でき、具体的なアクションまで提示してもらえれば最高。既にそういうの出てきつつあるので、普及したらどんな薬より効果あると思います。
  
  薬でお腹いっぱいな高齢者が減って欲しいです。