フランス新首相にアタル氏 同国史上最年少
コメント
注目のコメント
マクロン氏が登場した時もセンセーショナルでしたが、こちらも続いて最年少のアポイントメントということで大変大きな話題です。
ENA出身のマクロン氏同様にいわゆる超エリート輩出システムから登場した新時代のリーダーなのですが、とにかくフランスの超エリートは良く働きます。
日本の一般文脈でいう「エリート層」とは桁違いで、これは身近な例では先代ITER機構長であったベルナルド・ビゴ氏の側近として働くなかで肌身に感じました。
冗談で言われる7-11(セブンイレブン)というのは、朝7時から夜11時まで働くという意味で、この「働く」には、「だらだらした残業時間」や「会食・二次会」などの時間は入らない(ゼロとは言わないが)、純粋な生産性の高い時間と捉えて良いと思います。
新世代のリーダー、どういった舵取りをフランスにもたらすのか、2027年のフランス大統領選への展望も含めて観ていきたいと思います。半大統領制をとるフランスでは、大統領が国家元首として、外交をはじめ強い政治的権限を持ちます。
首相は内政において大統領の参謀的位置づけとして、議会の解散など助言しつつ行政を主導します。
氏の経歴や政治的立場を報じる記事をいくつか紹介します。
生い立ちは、チュニジア系ユダヤ人の弁護士兼映画プロデューサーの父と、ロシア系仏人で正教徒の血を引く母の息子としてパリで育ちました。
本人がメディアに語ったところでは、その父が本人に「おそらくお前は正統派だが、その名前のせいで反ユダヤ主義に苦しむだろうから、あなたは一生ユダヤ人だと感じるだろう」と述べたそうです。
ユダヤ教、キリスト教など複数の宗教に影響されて育ち、文化の複雑性をよく理解していると想像します。
https://www.theguardian.com/world/2024/jan/09/gabriel-attal-french-prime-minister
そのせいでしょうか、リベラルな価値を重んじつつも、保守派から信頼を得つつ政治的にうまく立ち回ってきています。
氏はマクロン大統領と同じ左派社会党の出身です。教育大臣在任中に、公立学校におけるキリスト教の十字架、イスラム教のヒジャブを含む宗教的な物の使用禁止を行い、自身も同性愛を公表するなどリベラルな価値を重視しています。
他方、保守派からも好意を得、保守党出身で大統領を務めたサルコジは、同氏に2027年大統領選への出馬を検討するよう働きかけたと報じられています。
https://www.politico.eu/article/11-things-know-gabriel-attal-france-youngest-prime-minister-emmanuel-macron-government-reshuffle/
アタル氏はコロナが拡大した時期に報道官を務め、名を知られるようになりました。12月の調査では40%の支持を得、最も人気ある政治家となっています。
政権は支持率を20%代に落としていますが、次期大統領選も見据え、社会党の希望となるか、氏が現在の混乱をどの程度収められるのか注目されます。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR0904R0Z00C24A1000000/フランス最年少首相となったガブリエル・アタル氏とフィンランド前首相のサンナ・マリン氏は当選時、ともに34歳。同性愛に女性に、ジェンダーフリーかつエイジフリーに政治の場がなりえるところが素晴らしいです。ジェンダー、年齢ともに多様性があり、社会の寛容性が高い方が幸福度、Well-being共に上がるので日本も年齢、年次で可能性を限定せず、見習ってほしいです。
アタル氏のプロフィール、マクロンの状況がわかる記事はこちら
https://www.jiji.com/amp/article?k=2024010901049&g=int