イラン爆発でISが犯行声明 近年最大のテロ被害
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注目のコメント
イスラーム国がやった、というのが、一番説得力はあります。
・シーア派に対して、
・不特定多数の民間人を
・自爆で殺害する
というのは、イスラーム国の典型的な手法です。
アル=カーイダも、ハマースを含むムスリム同胞団系も、シーア派というだけで不特定多数の民間人を殺害する、というのは、あまりやりません。
イスラーム国は、サウディアラビアの神学(ワッハーブ派)の純正品というべき産物で、サウディアラビアの建国者たちがやっていたようなシーア派大虐殺を忠実に再現していて、それが彼らの考える正統性になっています。
本家サウディアラビアは、もう日和ってそういうことはあまりやらなくだっただけに。
イスラーム国は、最初イラクで、それからシリアで、スンナ派 vs. シーア派というような宗派紛争を、日常的な爆破や暗殺で人々を疑心暗鬼に陥れることによって拡大してきました。
そこに、スンナ派の擁護者として現われ、支持を得て、支配地にする、というのが基本的な戦略であり、彼らの成功体験になっています。
イスラーム国はイラクやシリアでは掃討されて潜伏しながら、この戦略を再開する機会を狙っています。
現在は、むしろアフガニスタンやパキスタンに勢力を広げ、そこからイランに侵入して何度か爆破事件や襲撃事件を起こしてきました。
イランで爆発、約100人死亡 殺害司令官の墓近辺 「テロ攻撃」と当局
https://newspicks.com/news/9403328?ref=user_1125005現時点では、イラン政府からISの犯行声明に対するコメントは発表されておりませんが、不安定化しつつある中東情勢において、敵同士の対立を利用するISの存在感が高まるかもしれません。
スンニ派過激派組織であるISは、シーア派のイランを敵視してきており、最近では2022年にイランの南部シラーズにあるシーア派聖地において、数十人以上が死傷した銃乱射事件を引き起こしました。
今回、イラン革命防衛隊の対外工作部門司令官だったスレイマニ氏の追悼式開催中に起こったテロ事件は、反イスラエル・反米の機運を高めようとしていたイラン政府の意図が、結果的には多数の犠牲者を出したテロによってくじかれた形になります。
ISはその「建国」以来イラクとシリアを制圧しましたが、ソレイマニ司令官はISの討伐をめざし、シーア派を求心力とした各地の武装組織の支援してきました。
ISはソレイマニ司令官を敵視し、2020年に米国にソレイマニ司令官を暗殺した際、「神が支持者たちの心を満足させた」などと表明しています。すなわち、敵の敵は味方という考え方から、敵同士の対立が自らの利益になると考えているようです。
https://www.asahi.com/articles/ASS151FKBS14UHBI02L.html
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51075621
混沌の中から生まれたISとしては、イスラエル・ハマス紛争による中東地域の不安定化を利用し、長らく敵視してきたシーア派を攻撃し、地域全体をさらに混乱させ、自らの存在感を高めることを企図したのかもしれません。いずれにせよ、今後の推移を注視する必要があると思います。