最大規模の石油権益の5%獲得へ調整 NHKニュース
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新興国における事業展開では、市場戦略(market strategy)に対しての非市場戦略(non-market strategy)という概念を理解することが重要になります。
特に原油の販売においてはそうはいっても価格面や条件面は市場価格プラスマイナスどのくらいかという議論であったり、長短比較しずらい条件間での入札参加者の比較になります。また、意思決定権を持つ中東諸国は依然として絶対主義に近いため、王族の石が大きく左右します。
そういった際には、市場競争ではなく、非市場競争において優位に立つ必要があります。非市場競争とは、ここにあるように、留学生の受け入れや、美術品の提供であったり、政府トップの訪問、時には接待で出す料理の内容すら重要になってきます。
これは中東の都市開発の案件でもそうですし、アフリカ諸国のインフラ投資でも同様の傾向があります。石油は極端な例ですが、あらゆる領域おいて重要な概念になってきます。
従って、新興国市場での事業展開においては会社の経営陣、トップの時間を有効活用して関係性構築を計ることが重要となり、また同時に政府政権が強力に事業展開を支援することも重要となるのです。2014年以前の過去のアブダビとの石油利権契約では、石油会社の受け取るマージンは1バレル当たり1ドルと、油価の上下に関わらず低いマージンで固定されており、経済的には旨味の少ない取引であった。今回の契約条件の詳細について記事は見当たらなかったが、2015年1月に仏トタールが10%の契約を行った際の英文記事によると、マージンは1-3ドル程度と推測されている模様。若干のマージン回復はあるのだろう。但し、油価上昇時のアップサイドはないと思われる。
http://m.thenational.ae/business/energy/remaining-bidders-weigh-tough-terms-for-stake-in-abu-dhabis-prime-oilfields
もちろん、国策として石油の安定確保という意味での意義は大変大きいので、経済性のみでは語れない。念のため。
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どなたか詳しいNPユーザーの方の解説をお聞きしたいです。