Francois Murphy

[ウィーン 26日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)は26日、イランがウランの濃縮度を兵器級に近い60%まで高めるペースを再び加速させているとの見解を示した。

IAEAは声明で「(イランは)高濃縮ウランの生産を加速させており、今年半ば以降の減産から転換した」と述べた。

イランはナタンツとフォルドウの施設でウランの濃縮度を最大60%に高めている。兵器級の濃縮度は約90%。

IAEAの報告によると、これらの施設では減産開始以降、濃縮度60%のウランが月間約3キロのペースで生産されていたが、今年11月末から月間約9キロまで加速していることを確認したという。

IAEAの定義に基づくと、イランはさらに濃縮すれば、核爆弾3発が製造できる濃縮度60%のウランをすでに十分保有している。

イランメディアによると、エスラミ原子力庁長官は「何も新しいことはしておらず、規則に従って同じ活動を行っている」と述べた。

米ホワイトハウスの国家安全保障会議の報道官はIAEAの報告書を米国は「非常に懸念している」と指摘。イラクとシリアでのドローン(無人機)攻撃や紅海でのフーシ派による商船攻撃など、イランが後ろ盾となる勢力が危険で不安定な活動を続ける中での核開発加速は今まで以上に懸念事項だと述べた。