2023/12/31

【大晦日コラム】2024年は「まとも」が輝く年になる

NewsPicks NY支局長
筆者によるコラム「Weekly Dose of Wisdom」は、毎週土曜日に絶賛連載中です。
2023年もいよいよ最後の日を迎えた。
大みそかにNewsPicksを開き、少し奥まったところに掲出されるこの記事をわざわざ読んでくださっている方は、なかなか奇特な方かもしれない──ということで、せっかくなので少し妄想を膨らませ、「人類」の話をしてみたい。
2023年が歴史に刻まれるならば、どんな年として記憶されるだろうか
大きなトピックで挙げると、前年に登場した「ChatGPT」はコンピュータが人間を超える時代を鮮明にイメージさせ、イスラエル・ガザの戦争は覇権なき時代の混迷を浮き彫りにした。
そして、もう一つ、2023年は少なくともこの174年で「最も暑い年」だった、ということも記しておきたい。
この3つのトピックを反すうしたときに、一つの思いがよぎる。
もしや2023年は「諦めの年」だったのかも、と。
政治であれ、テクノロジーであれ、気候であれ、「新たな現実」を(無意識にでも)受け入れる年だった、と。コロナという(現実なのだけれど)ある意味「非現実的」だった数年をくぐり抜け、待ち構えていた現実への「適応」とも言えるかもしれない。
で、実は、これは特集テーマの「Optimism(楽観主義)」と合わせ鏡だ。
もし現実のインパクトが強く、それに目を背けたり、悲観的に捉えたりしたくなる現実があったとしても、そこからポジティブを抽出していく意志が肝要なのだと。
悲観主義は感情によるものであり、楽観主義は意志によるものである」
ということで、本コラムでは、2023年がなぜ「諦観」だったのかに触れつつ、2024年の「楽観」について論じていければと思う。
INDEX
  • ①AIクーデターの「真実」
  • ②気候変動「誰も語ろうとしないこと」
  • ③世界の「両極化」の向かう先

①AIクーデターの「真実」

ChatGPTが投入された2022年11月30日は、歴史に記される。Windows95の1995年7月14日、もしくはiPhoneの2007年6月29日と同じように。
だが、裏歴史という意味では、2023年11月21日こそが転換点かもしれない。