2023/12/27

【変貌】デジタル庁、3年目の「スタートアップ化」がすごい

デジタル庁が、新たなフェーズに突入している──。
2023年9月に設立3年目を迎えたデジタル庁。
設立当初は「民間人材の登用」に注目が集まり、前向きな話が多かった一方、2023年はマイナンバー関連の情報漏えい問題などの課題に焦点が当たることの多い1年だった。
しかし、その陰で、続々と新たなアウトプットが出ているのをご存じだろうか。
組織体制が固まり、ついに次章へ突入した感のあるデジタル庁の現在地はどこにあるのか。
デジタル庁を推進する事務方トップのデジタル監・浅沼 尚氏と、データ分析長・樫田 光氏の2人に話を聞いて浮かび上がってきたのは、行政組織と対局にある「スタートアップ的」なアプローチで挑戦を続ける姿だった。
「行政の呪い」とも言える官僚主義に挑むデジタル庁。彼らが見いだす、日本の行政、そしてデジタル化の光明を探っていこう。
INDEX
  • 行政は「ニワトリとタマゴ」
  • 「モノ」中心に、小さく始める
  • 「リリースがゴール」をやめる
  • 日本のデジタル化の「障壁」
  • 「デジタル庁を越える」
  • 一次情報を取りに行く

行政は「ニワトリとタマゴ」

── 2023年9月、3種類の「政策ダッシュボード」を追加公開しました。なぜ情報の見える化に注力してきたのでしょうか?
浅沼 一言で言うと、「行政を近くする」ためです。
私の中で、行政は「何をやってるかわからない、遠い存在」という感覚がありました。