【主張】アメリカの「分極化」は人種より宗教が要因だ
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人種よりも宗教よりも経済格差がより大きな要因だと思いますね。
キリスト教右派が共和党に投票するのは、誰が候補であっても固定したことです。トランプ前大統領は、キリスト教右派に望ましい候補だからキリスト教右派の支持を得ている訳ではありません。
共和党、とりわけトランプ派が増やした共和党の支持層というのは、インフレや金利が上がって割を食う層、経済格差の拡大で、家を買ったりできなくなり、相対的に以前よりも生活が苦しくなったと感じている層です。
白人、黒人、ヒスパニックなどの人種を問わず、そういう層はいます。
民主党は、労働組合からの支持が減り、黒人やヒスパニックなど、アジア系以外の人種からの支持も減っています。
高学歴層の支持は、民主党に集まっています。
高学歴層ばかりがいい目を見ている状況や、経済格差が拡大している状況に抜本的な改善策を示せねば、民主党の大統領候補が勝つのは難しいでしょう。分極化、分断化しているなかで、たしかに活動が実際にされている領域といった観点で宗教が説明変数として妥当だというのは納得性がある(自分で検証まではしていないが…)。
ただ宗教が説明変数として妥当になるのは、人種差別や経済格差の結果として、宗教が求心力を持ち、そこで活動が行われている故でもあると思う。
Pew Researchがこういったものをデータで様々検証している。
こちらは人種・地域・学歴・年齢・宗教による民主党・共和党の支持の分析。
過去含めて、一般的な傾向としては都市部・高学歴層・非白人が民主党支持、逆が共和党支持の傾向が強い。
一番最後のグラフが顕著で共和党支持者の1/3が白人・福音派。また、伝統的に民主党は非白人の支持が多いが、そのなかで記事にもあるようにヒスパニック(ラテン系)については共和党が増加傾向、民主党で減少傾向にある。
二つ目のグラフも興味深く、都市では民主党の支持が高いのだが、都市での支持傾向は減っている(都市化が進むことは構造的には民主党に追い風だったはずが、都市での経済格差が広がり、経済格差要因での不支持が広がっている?)。
https://www.pewresearch.org/politics/2023/07/12/demographic-profiles-of-republican-and-democratic-voters/
こちらは福音派について、人種・収入などでの分析。特にラテン系についてはほかの人種と比較して収入3万ドル以下の構成比が大きい。
一方で、アジア人は福音派が少ないが、教育面では大学卒以上が6割。意思をもって福音派を信じている傾向が窺える。
https://www.pewresearch.org/religion/religious-landscape-study/religious-tradition/evangelical-protestant/racial-and-ethnic-composition/米ニューヨーク・タイムズの名物ポッドキャスト「エズラ・クライン・ショー」、今回のゲストは民主党の選挙運動を長年支え、データを活用した政治戦略家として著名なマイケル・ポドホーザー氏です。
ポドホーザー氏は「ある勢力」による共和党の乗っ取りを主張しています。あくまで民主党側から見た主張ということで、留保は必要ですが、興味深い指摘です。