2023/12/7

【必見】今年の冬は「トリプルデミック」に備えよ

NewsPicks 記者・編集者
「せっかく、コロナが収まったと思ったのに……」
世界中を襲ったコロナ禍が収束に向かうなか、今度は「別の」感染症が流行を見せている。そう、インフルエンザだ。
本来は冬シーズンのみで終わるはずのインフルエンザだが、今年は春から夏にかけても継続的に感染が発生。
9月には、東京都含む数県で例年よりも早い「注意報」が発表されるなど、異例の事態になっている。
一体、今年の「インフル猛威」の原因は何なのか。そして、これから何が起きるのか──。
本格シーズンの到来を迎え、いま押さえておくべき知識を、プロピッカーでNewsPicksトピックスでも情報を発信する山田悠史医師に解説してもらった。
INDEX
  • 「シーズン外流行」のワケ
  • 「トリプルデミック」の懸念も
  • 「第3のウイルス」にもご用心
  • 今からでも遅くない「ワクチン」

「シーズン外流行」のワケ

── 今年のインフルエンザは「異例」だと言われています。医師として、この状況をどう見ていますか?
山田 やはり、普段流行が見られない時期に患者さんが出ていたことは、例年と違うと評価すべきでしょう。
インフルエンザは、本来秋口から春先にかけて流行する感染症です。
まずは9月から10月にかけて保育園や幼稚園などで子ども世代から感染が始まり、親世代に移る。そして、次第に大人たちに広がっていく。
結果、11月から1月の冬本番にかけて本格化する──。これが例年の「お決まり」パターンでした。
ところが、今年は4月に入っても感染が収束せず、夏にかけても陽性者が見受けられた。