ヒットの秘密はあのセリフ?「赤いきつねと緑のたぬき」味だけじゃない「ウマさ」とは
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ロングセラーブランドには並々ならぬ努力と工夫があることを、改めて感じさせられる記事でした。
消費者すらも言語化できない感情「顧客インサイト」を発見することは、ロングセラーブランドに限らず、あらゆる商品サービスのマーケティングにおいて重要な点です。
一方で、アンケートやインタビュー調査などで具体的な発言としては出てきにくいインサイトに気付くことは、また非常に難しいことでもあります。一般的にこうした調査では、回答者である消費者側も”人に言える”表面的な回答をすることがほとんどで、明示的に言葉で現れてくることはそれほど多くはありません。
「文脈を読み取る」という作業に近いものだと思っていますが、こうして集まった回答を総合的に見ることを通して、文脈を解釈し、そこに隠れる共通したインサイトを発見するためには、消費者理解に関するある種の経験や勘のようなものが必要なように思います。
ロングセラーブランドだからこそ、「恐らくここがツボだろう」といった解釈につながるインサイト発見のノウハウが、同社には蓄積されていたのではないかと想像しています。この2つの商品は「インスタント麺」と領域を超えて、「赤いきつねと緑のたぬき」という別の食べ物に昇華しています。
その意味で、最初に出たきつねうどんに「赤い」をつけたところが秀逸です。
以前、日清の偉い方とお話をしていた際に、「各世代でカップヌードルについての違った思い出がある」ということを聞きました。これってすごいですよね。(大げさに言えば)顧客の人生の一部になってるわけですから。
商品開発だけではなく、ネーミングやCMなどのコミュニケーション全般において、日清食品は抜きんでている感じがします。冬になると大きなキツネの絵柄がついた赤いニット(メゾンキツネ)をよく着てる友人は、そう言えば自らを「赤いキツネ」と名乗ってました。ブランドもののニットを着ている鼻持ちならなさをうまく自己ツッコミをし相対化してるなと思いました。その位、日本で暮らしていれば誰でも知ってる言葉ですね。