[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比87円17銭安の3万3321円22銭と、3日続落して取引を終えた。円高進行が嫌気された。日米金利の低下を受けて高PER(株価収益率)銘柄に買いが入り、プラスに転じる場面もあった。

日経平均は前営業日比163円安でスタートし、一時229円安の3万3179円07銭まで下落した。ドル/円が146円台に下落したことが投資家心理を冷やし、大型株を中心に売り圧力が強まった。

その後は下げ幅を縮小し、プラスを回復。一時107円高の3万3516円23銭に上昇した。時間外取引で米10年債利回りが4.2%台後半へと、約2カ月ぶりの低水準に低下する中、成長期待の高い銘柄群が買われて指数を押し上げた。円高が一服したほか、時間外取引の米株先物がプラスで推移したことも支えになった。

もっとも、ドル/円の戻りは鈍く、日経平均は後場に再びマイナスへと沈んだ。「買いも売りも材料に乏しく物色難」(東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジスト)とされる中、為替に振らされる流れとなった。「年末高の期待感は残っているが、円高基調になり始めたことは上値を抑えやすい。12月の株高機運が高まるかはグローバル景気次第になりそうだ」(東海東京の中村氏)との見方もある。

円高基調にあっても、トヨタ自動車株はしっかり。セクター別の輸送用機器は値上がり率トップとなった。トヨタを含む複数のグループ企業が、政策保有するデンソー株を売却する方向で調整していることが分かったと前日に報じられたことが、資本効率向上への思惑につながった。デンソー株は需給悪化懸念で朝方弱かったが、売り一巡後は過度な懸念が和らいでプラスに転じた。

TOPIXは0.51%安の2364.5ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.52%安の1216.62ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆5441億0100万円だった。東証33業種では、値上がりは輸送用機器や電気・ガス、サービスなど4業種で、値下がりは鉄鋼や銀行、海運など29業種だった。

ホンダやセブン&アイHLDGは軟調。ソフトバンクグループはさえなかった。一方、豊田自動織機は大幅高となり年初来高値を更新。デンソー株の売却に伴う資本効率向上への思惑が高まった。グロース株のエムスリーはしっかり。レーザーテックは年初来高値を更新した。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.39%高の720.97ポイントと、3日ぶりに反発した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが565銘柄(34%)、値下がりは1049銘柄(63%)、変わらずは43銘柄(2%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 33321.22 -87.17 33244.43 33,179.07─3

3,516.23

TOPIX 2364.50 -12.21 2366.15 2,358.27─2,

376.85

プライム市場指数 1216.62 -6.42 1218.23 1,213.47─1,

223.05

スタンダード市場指数 1160.72 +3.01 1156.44 1,156.35─1,

162.68

グロース市場指数 916.63 +11.95 903.82 903.82─920.

51

グロース250指数 720.97 +9.85 710.39 710.39─724.

30

東証出来高(万株) 136815 東証売買代金(億円 35441.01

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