2023/11/27

【深層】MicrosoftとOpenAIを繋ぐ「巨大研究所」の正体

NewsPicks 副編集長
「ChatGPT」を生み出したOpenAIでサム・アルトマンCEOの解任騒動が起こってから、早1週間。事態はアルトマン氏の復帰で決着した。
この騒動ではっきりとしたのが、OpenAIと、2019年から資本提携しているマイクロソフトとの関係性の強さだ。
騒動のさなか、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、アルトマン氏らOpenAIの幹部を新たに作るAI研究チームに迎えると発表。
結局これが実現することはなかったが、アルトマン氏は復帰後、自身のX(旧ツイッター)のアカウントで、ナデラ氏の支援への謝意やマイクロソフトとの関係性を強調した。
マイクロソフトはOpenAIが開発したAIモデル「GPT-4」を、オフィスソフトや検索エンジンなどの自社サービスに搭載。
プロンプト(テキストによる指示)で文書やメール、プレゼン資料を生成するといったことができるようになった。
その背後で重要な役割を果たしているのが、1500人以上の専門人材を抱える巨大研究所「マイクロソフト・リサーチ」だ。
この研究者集団を率いる責任者のピーター・リー氏が、11月中旬に来日。OpenAI騒動の前に、NewsPicksは取材する機会を得た。
なぜGPT-4がマイクロソフトではなく、スタートアップのOpenAIから生まれたのか。
そしてトップ研究者たちが目撃したGPT-4の衝撃、そしてナデラCEOからのプレッシャーなど、研究現場の最前線について語ってくれた。
INDEX
  • 研究所がGPTを「使えるもの」にした
  • AIの「安全性」を重視
  • 自社開発のAIモデルもあったが…
  • ナデラCEOの強烈なプレッシャー
  • 「2兆円買収」を生んだ研究