2023/11/25

【原研哉×為末大】AI時代に「デザイン」はどう変わる?

Deportare Partners CEO
昨日より今日、今日よりも明日…。仕事でも料理や洗濯などの日常生活であっても、少しずつ上達すると楽しいものだ。
最初は何気なく始めたことも次第に基本のスタイルが確立され、どんどん「らしさ」が出てくる。大なり小なり、誰もが一度はそんな経験をしたことがあるだろう。
本連載では、こうした「熟達」をテーマに各界の第一人者にその方法論を聞いていく。聞き手を務めるのは、元陸上選手の為末大氏だ。
スプリント種目の世界大会で日本人で初めてメダルを獲得した為末氏は、短距離走の熟達のプロフェッショナルでありながら、他の業界との共通点を探し続けてきた。
そのメソッドを1冊にまとめた『熟達論』をベースに、あらゆる角度から質問を投げかける。
今回のゲストはデザイン界の大御所、原研哉氏だ。グラフィックデザイナーとしての活動だけではなく、武蔵野美術大学で教壇に立ったり、無印商品のアートディレクターを務めたりと幅広く活躍する。
そんな2人が、熟達とデザインの本質について語り合った。
僕たちが大好きな、デザインの話をしよう(第2回/全3回)。
原研哉(はら・けんや)
1958年生まれ。グラフィックデザイナー。日本デザインセンター代表取締役社長。武蔵野美術大学教授。2002年より無印良品のアートディレクター。松屋銀座、森ビル、蔦屋書店、GINZA SIX、MIKIMOTO、ヤマト運輸のVIデザインなど、幅広い領域で活動。2019年7月に個人の視点から日本の選りすぐりスポットを紹介するwebサイト「低空飛行」を立ち上げ、観光分野に新たなアプローチを試みている。著書に『デザインのデザイン』『白』『日本のデザイン』『白百』など多数。近刊に『低空飛行』。
為末大(ためすえ・だい)
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得者。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2023年11月現在)。現在は執筆活動、身体に関わるプロジェクトを行うほか、アスリートとしての学びをまとめた近著『熟達論:人はいつまでも学び、成長できる』を通じて、人間の熟達について探求する。その他、主な著作は『Winning Alone』『諦める力』など。
INDEX
  • 「シンプルと個性」を両立させる
  • デザインの「主語」を考える
  • AIで生まれる「平らな人」たち
  • Make Things Unknown
  • 「型」があるから壊していける

「シンプルと個性」を両立させる