NTT法をめぐるSNS場外乱闘であらためて考える、SNSのリスクと可能性
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NTT広報室のアカウントが三木谷さんの投稿にガチで反論したことが大きくテレビなどでも報道されていましたが、個人的に会社の公式アカウントで、こういう議論を継続することは別のリスクがあると感じたのでYahooの記事にまとめてみました。
おそらく黙ってられなくて、苦渋の決断としての投稿だったんだと思いますが、結果的に相手の土俵に引き込まれた形になっていますし、実はスルーしておく方がNTT的には良かったんじゃないかなと思ったりもしてます。
一方で、従来通りの密室政治に対して、SNSの投稿一つがこれだけ世論を刺激して、NTTも黙っていられなくなるという意味では、昭和的なやり方が日の目にさらされて問題になる最近のトレンドの一つに当たるのかなと感じています。
もちろん個人的にはNTT出身者なので、NTT法は廃止した方が良い論者なんですけど、いずれにしてもNTT法の議論が、日本にとって良い結果になることを期待したいです。三木谷さんには奢りと焦りがあります。
それが今回の件で行ったSNSでの強いトーンの発言につながっている、と私は感じていました。
「税金で整備した光ファイバー網を持つNTTの完全民営化は愚策」などというのはその最たるもので、不正確だが訴求力のありそうな表現です。NTTはそれにカチンときたのだと思います。NTT広報部が、三木谷さんの個人SNSアカウントのように、これから好きなことを書き殴っていくことはないでしょうが、敢えて「同じ土俵」で根拠のない主張を「ナンセンス」という切れ味の良い(SNSでスルーされにくい)ワードを使ってばっさりやるのは、一部で言われる「大人げない行動」でも、ましてや「場外乱闘」でもなく、よく考えられたアクションだと私は評価しています。
「NTTなめるなよ」というメッセージがそこにあると思います。このNTT法を巡るSNS上の議論から、私が感じるのは、企業コミュニケーションの風景が大きく変わりつつあるということです。従来の非公開の会議室から、オープンなSNSの場へと移行することの意義は大きい。ただし、企業アカウントと個人アカウントの使い分けや、発言の速さと正確さのバランスをどう取るかが、新たな課題として立ちはだかっている。本件を通じて、企業がSNSを戦略的にどう活用すべきか、公の議論にどう参加すべきかを深く考える必要があると思います。