(ブルームバーグ): 日本銀行の円買い介入が機能する可能性は低いと、ドイツ銀行の為替調査グローバルヘッド、ジョージ・サラベロス氏が指摘した。同氏は円を、新興国通貨で過去10年間のパフォーマンスが最も悪い2つの通貨と同列に置いた。

サラベロス氏は顧客向けリポートで、「利回りや対外収支といった円相場を動かしている要因を一見すると、円はトルコ・リラやアルゼンチン・ペソと同じ部類に属する」と指摘。「円を防衛する日本の介入は良くて無力、最悪の場合には状況を悪化させることになるだろう」と続けた。

国際的な投資家にとって、円は伝統的に安全資産としての地位を確立している。それを過去10年でドルに対して90%余り下落したリラとペソになぞらえるのは目を引く。円は世界で取引量が3番目に多い通貨であり、日本の経済規模は世界で4番目に大きい。

為替介入にスタンバイ、1ドル=151円台で「背景に投機」-財務官 (3)

サラベロス氏は、日本の当局によるいかなる為替介入もドルをさらに押し上げることになるかもしれないと主張。インフレ調整後の日本の利回りが大幅なマイナスとなるのに従い、日本から資本流出が加速すると予想した。

「過去2年間の幅広い円安が反転するのは、あるシンプルなことが起きる時だけだ。それは日銀の利上げ開始だ。金利をゼロに戻す小さな動きではなく、はるかにもっと引き上げることだ」と論じた。

原題:Deutsche Bank Analyst Likens Yen to Turkish Lira, Argentine Peso(抜粋)

More stories like this are available on bloomberg.com

©2023 Bloomberg L.P.