2023/10/28
【解説】消えゆくY染色体の運命と「性」の意外な柔軟性
500〜600万年後、地上から男がいなくなってしまう──。
こんな衝撃的な仮説を聞いたことはあるだろうか。
オス、つまり男になるために必要なY染色体が、なんと長い進化の過程でどんどん小さくなっているらしいのだ。
いずれY染色体がなくなれば、男は消滅する、というのがその仮説である。
そもそも、生き物にはなぜオスとメスが存在するのか。これは、未だに現代生物学における究極の謎の1つだ。
さらに最新の研究から、ヒトの性にはこれまで考えられていたよりも多様な「揺らぎ」があることもわかってきた。
この特集では、生物学や人類学のみならず、ヒトを取り巻く社会や文化の視点から、男と女(オスとメス)をめぐる謎について考えていく。
第1話では、男性が持つY染色体の運命を端緒に、性の柔軟性について専門家の解説をお届けする。
INDEX
- 男性消滅の危機?
- Y染色体 受難の歴史
- 性決定遺伝子なくても
- もっと柔軟な魚類
- ヒトにも「性の揺らぎ」