米下院議長に共和党ジョンソン氏 3週間超の機能不全ようやく解消
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共和党内の穏健派が譲ることでジョンソンが議長に選出。穏健派か保守派のどちらかが妥協だったので、「いずれは終わる」はずでしたが、ジョーダンと差がない保守強硬派ですが、ジョンソンよりも目立たなかった分、穏健派が譲歩。
ジョンソンはトランプ親衛隊中の親衛隊といえる存在。委員長経験すらなく、指導力は未知数。2020選挙を否定し、中絶禁止を支持し、ウクライナ支援に真っ向から反対。つまり「経験が少ない地味なジョーダン」。ジョーダンに反対した穏健派がジョンソンに反対しないのはジョーダンの派手な立ち回りが気に食わなかったのかと思います。
Republican Study Committeeという党内の保守派閥のリーダー経験はありますが、アメリカの下院の派閥は日本の自民党の派閥と異なって緩く、メンバーの出入りも複数所属も数多くあります(有名になった「フリーダムコーカス」のメンバーとも重なりがあります)。
「3週間超の機能不全ようやく解消」というこの毎日の記事は正しいのですが、そもそも「分極化+僅差」で機能不全はずっと続いています。下院については議長が穏健派なら少数の強硬派が、強硬派なら少数の穏健派が大きな影響力を持つので、誰が議長になっても大差なしだと思っています。
動かない議会なので超保守が議長になっても衝撃は限定的。
これだけ名前が知られていない議員が議長になるのは、99年の106議会のハスタート以来でしょうか。ハスタートは前の議会では共和党下院のナンバー4だったので、ジョンソンと同じようなものかもしれませんが、各委員会や共和党指導部での経験はある程度長かったです。ハスタートはその後8年の長期にわたり下院議長をしましたが、スキャンダルで「誰もが忘れたい人」。保守度で言えば、ジョンソンは(当時は超保守に見えた)ギングリッチ議長以来。ギングリッチ議長誕生の95年の誕生の104議会の大旋風は今に至るアメリカ政治の潮流を変えてしまっています。
ところでジョンソンに決まる直前に「共和党が白票を一定数入れて分母が小さくなれば少数派の民主党のジェフリーズが下院議長」といったありえない議論も一部ありましたが、分極化の時代でなくてもそれは無理。下院議長の法案審議の裁量が大きく、多数派党が譲るのはあり得ない話。共和党のジョンソン議員と民主党のジェフリーズ議員の一騎打ちとなり、
ジョンソン議員 220票 (共和党議員全員)
ジェフリーズ議員 209票 (民主党議員全員)
と、きれいに分かれました。
当然といえば当然の票数なのですが、これまでの混乱が極端でした。
トランプ氏の支持を得たジョンソン議員が、他のベテラン共和党議員を押しのけて下院議長となり、トランプ氏の共和党内での統制力が示されました。下院議長は、大統領権限の継承順位が第1位の副大統領に次ぐ第2位にあります。すなわち、大統領、副大統領が執務不能に陥った場合には、下院議長が大統領権限を継承すると規定されており、非常に重要な役職です。
ジョンソン氏は2016年に初当選したばかりで、ここ数十年で最も経験の浅い下院議長です。弁護士、ルイジアナの議員出身で、中絶禁止及び同性婚禁止を強く支持する保守派であり、トランプ前大統領に近いとも言われています。
議長選出後、ジョンソン議長は演説で「私はまもなくこの議場に最初の議案を提出する。それは友人であるイスラエルを支持するためのものだ」と述べ、対イスラエル支援が喫緊の課題であると強調しています。
他にもウクライナ支援、債務上限問題など課題が山積しており、下院の勢力は共和党が221、民主党は212となっている中、党内の造反は許されない状況で議会運営が重要になっています。
以下、参考になる記事のリンクを貼付します。
NHK「米下院 議長不在22日ぶりに解消 共和党4人目の候補 議長に選出」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231026/k10014237511000.html
BBC ”Conservative Mike Johnson elected new House Speaker”
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-67220358