システム不具合問題 全銀ネットに「報告徴求命令」へ 金融庁
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このニュースが報じられているこの数日、例えばネット黎明期に経営やシステム部門に携わった経験がある人は分かる/無い人は分からないだろうと半ば同情的な心持ちで見ていたが、クラウド前、Java前の世界、APIとかフレームワークとかが当たり前になる前、多くの仕事がソフトウェアではなくハードウェアでなされていた時代、専用回線なるものがあった時代、その世界ではシステムダウンの復旧は自前で、今や雇っている会社はほとんど無いであろうサーバサイドのエンジニア、なる社員が徹夜でやっていた。
が今や世界が一変し、クラウドになりオープン化し、ほとんどの仕事が顧客である企業側の手を離れている。故にテック系スタートアップ等でもこうしたシステムダウン対応の経験ある人はほぼいないだろう。
がミッションクリティカルな銀行や公共交通機関などの大規模システムはクリティカル故に前時代のままシステムが取り残されている。誰が悪いという事も実はあまりなくて諸外国の大手金融でも少なくともメインのバンキングシステムは同じ状況にあるし、したがって実はダウンはたまにある。シンガポールでも最大手DBSが先日ダウンを起こして同じように当局から怒られていた。国際送金システムのSWIFTなんか未だにアナログ的でありしたがって着金まで日単位がかかる。
全銀ネットはこれをオープン化、Java化すべくまさに改修に取り組み始めた矢先だった。
ただ、逆にこれまで半世紀ダウンもハックもなかったのは前時代的クローズドシステム故という事もあるが、評価されても良いような気もする。報告徴求命令が出るのはやむなしでしょう。
今回の対応の中で不備を確認し、再発防止を・・・ということですが、どんな仕組みでも不備はでます。システム上の不備を全く出さない。ということは非常に困難なため、止まることが前提でシステム利用側がどう対応をするのか。という点も合わせて検討する必要があります。単なる当局による問い合わせと「報告徴求命令」はまったく違うものです。虚偽の報告をしたり資料の提出を拒んだりすれば懲役や罰金を科されるのが、法律に基づく「報告徴求命令」。このニュースでは、その重みが伝わってこない。メディアはそういうところをしっかり理解して記事を書く必要があります。