Hiroko Hamada

[東京 10日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比751円86銭高の3万1746円53銭と、大幅反発して取引を終えた。米国の金融引き締め長期化懸念が和らいだことで前日の米国株が上昇した流れを引き継いだ。日経平均の上げ幅は一時820円を超えた。パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスとイスラエルの衝突で中東情勢を巡る警戒感は残っているものの、リスクオフの動きは限定的となった。

日経平均は前営業日比320円高と、しっかりでスタート。寄り付き後すぐに上げ幅を広げ、ほぼ全面高の様相となった。中東情勢への懸念から原油先物価格が急騰したことで、エネルギー関連株が大幅高となったほか、防衛関連銘柄も物色が活発になった。後場に入ってからも買いが継続し、日経平均は一時823円高の3万1818円26銭の高値を付けた。

フィリップ証券のアナリスト・笹木和弘氏は、「米金融引き締め長期化懸念の後退で米金利低下の兆しが見え始めたことに加え、現時点では中東情勢を巡る地政学リスクがさらに広がる可能性は低いとみられ、幅広い銘柄で買いが優勢となった」と話す。

米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン副議長は9日、「債券利回りの上昇を通じた金融環境の引き締まりを認識し続け、今後の政策の道筋を見極める際に念頭に置いておく」などと発言し、マーケットでは米金融引き締め長期化観測が後退した。

目先の日経平均は節目の3万2000円を回復できるかが注目され、「今後1週間程度は3万2000円を挟んでもみ合いとなるのではないか」(笹木氏)という。

一方、中東情勢を巡っては、イランなどを巻き込んだ中東戦争に発展するリスクがあり、今後の動向が注目されている。「原油価格の上昇が止まらなければ企業業績に影響が及び、株式市場が不安定化する恐れもある」(国内証券・ストラテジスト)との指摘があった。

TOPIXは2.12%高の2312.19ポイントで取引を終了。東証プライム市場指数は2.13%高の1189.95ポイントだった。プライム市場の売買代金は3兆4982億8800万円と、商いが膨らんだ。東証33業種では、空運、水産・農林以外の31業種が値上がり。鉱業、海運、石油・石炭製品などの上げが目立った。新興株式市場は、マザーズ総合が0.97%高の708.09ポイントと、3日続伸した。

個別では、石油資源開発が10.7%高、INPEXが8.5%高、ENEOSホールディングスが5.2%高と、エネルギー関連株が大幅高となった。川崎重工業、三菱重工業もしっかり。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング、ソフトバンクグループはそれぞれ3%超高、主力のトヨタ自動車は2%高だった。

プライム市場の騰落数は、値上がり1599銘柄(87%)に対し、値下がりが197銘柄(10%)、変わらずが41銘柄(2%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 31746.53 +751.86 31314.67 31,314.67─

31,818.26

TOPIX 2312.19 +48.11 2286.38 2,286.26─2

,315.91

プライム市場指数 1189.95 +24.78 1177.50 1,177.37─1

,191.84

スタンダード市場指数 1126.85 +12.88 1119.98 1,119.98─1

,127.57

グロース市場指数 907.53 +7.05 906.92 904.32─912

.72

マザース総合 708.09 +6.82 706.84 705.06─711

.99

東証出来高(万株) 148469 東証売買代金(億円 34982.88

)