大規模戦闘で死者500人超 イスラエル「ハマス破壊」決定
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イスラエルは2020年のアブラハム合意以降、UAEやサウジなどイスラーム諸国と接近し、パレスチナは見捨てられてきた。イスラエルにとってはパレスチナを追い込むチャンス。2021年の衝突ではイスラエルがガザに撃ち込んだミサイルで多くの民間人が犠牲になった。このままではジリ貧になってしまうパレスチナの過激派ハマースと、イスラエルとの衝突が続いており、今年7月にはイスラエルがヨルダン川西岸のパレスチナ人地区に侵攻。イスラエルによる過去20年間で最大規模の軍事作戦となった。ハマースとしては、それへの対抗ということで、今回の大規模「反撃」に踏み切ったのだろう。
しかしアメリカも、世界も、そうは見ていない。ハマースによる「テロ」であり、いわばイスラエルにとっての9.11だという見方も出ている。バイデン政権もイスラエルを支持。イスラエルはパレスチナへの地上軍展開も含め、徹底的に報復するだろう。
ミサイルを撃ち込まれ崩れゆく建物に住むのは民間人。ガザで働く友人によれば、このところのガザ側の被害の9割が民間人という。イスラエル側でも今回は数十名の民間人が犠牲になった。ハマースの今回の戦略的判断は、パレスチナ、とりわけガザを壊滅させるかもしれない自暴自棄な判断ではないか。双方の公式発表では、
イスラエル側死者: 300人以上
ガザ地区(ハマースが統治)側死者: 252人以上
です。
なお、ガザ地区と並ぶパレスティナ人地区にヨルダン川西岸地区でも呼応するパレスティナ人勢力やユダヤ人入植者たちの戦闘が起きており、数十人の死者が出ています。
そして、ハマースの発表では、164人のイスラエル人が人質としてガザ地区に連行されています(明らかにタイ人やフィリピン人の出稼ぎ労働者も混じっていますが)。
イスラエル側の方がパレスティナ側よりも死者が多い、という異例の事態になっていますが、これからイスラエル軍による報復攻撃が本格化します(今のところはガザ地区へは空爆のみ)。
イスラエル軍は、攻撃開始前に現地の民間人に警告を送りますが、先ほどガザ地区の一部の地域の住民にSMSで避難勧告が送られました(ガザ地区内の電話番号も位置情報も、イスラエルは全て把握しています)。
イスラエル軍が地上部隊で戦闘を始めれば、パレスティナ側の死者数が跳ね上がります。
このままだと、ガザ地区の市街戦でイスラエル軍が相当の犠牲を出しながらも、徹底的な報復をする、ということになりますが、事態を別のレベルに変える可能性がありえるのは、レバノンのヒズブッラーだけです。
ヒズブッラーは、ハマースよりも軍事的にはるかに強大です。今のところ静かなものですが、ガザ地区の市街戦の状況によっては、ヒズブッラーが参戦する、という徴候がすでにあります。
ヒズブッラーが参戦するなら、イスラエル軍は2正面作戦を戦うことになります。南北に長いイスラエルの真ん中〜南寄りにあるのがガザ地区で、今回の攻撃が行われました。
一方、北部のレバノンにはイスラム原理主義組織ヒズボラがいます。この組織はハマスと関係が深く、後ろ盾はイランです。
そして北東部のゴラン高原を隔てた先にはシリアがあり、ここにも親イラン・ヒズボラといった武装勢力が跋扈しています。
イスラエル軍はこれから始まるであろうガザ侵攻でも地上戦をすれば、多数の犠牲を覚悟しなくてはいけません。その上にヒズボラ等他の武装勢力が参戦してきたときには、相当なダメージを被ることになります。アフガニスタンのタリバンも「エルサレムを占領する」とか血気盛んな事を言っているし…。本格的にやばくなってきた