ドコモ、証券業に参入 マネックス証券を子会社に
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FinTechベンダーの雄であるマネーフォワードと共同でスタートしたオリジナル家計簿アプリ「スマー簿」は終了させる事を発表している一方で、証券会社を買収し、その目的に『決済分野を中心に投資・融資・保険等のFinTechサービスも併せて、お客さま一人ひとりのマネーライフをサポート』と謳っている。
つまり、金融・FinTechを伸ばしたいのか伸ばしたく無いのか、戦略がいまいちチグハグに見えます。
なお、マネックス証券側としては、SBI・楽天が国内株手数料無料合戦で殴りあう中、このチキンレースにはついていけない。そうした判断も買収劇の原因の一つにあるのかもしれません。
注目のコメント
証券取引業が加わりより盤石なネット経済圏を作れるようになりました。ドコモは競合の中で唯一自社で銀行や証券会社を持たないため金融による囲い込みができていませんでしたが、やっと大きな動きが出ました。報道発表にもありましたが大きく5つの提携になるとのことです。
①資産形成サービスの提供
「d払い」アプリを通じて投資初心者への資産形成サービスを提供。取引や残高、口座開設に応じたdポイント還元やd払い・dカードによる入出金や積立が可能に。
②両社のデータを活用
9,600万のドコモ会員データとマネックス証券のデータを、金融CRM(Customer Relationship Management)を構築し一人ひとりに適した商品の提案を実施。
③ドコモショップにおける金融教育コンテンツの提供
ドコモショップでのセミナーを通じて投資知識・金融リテラシーの向上を後押し。
④AIによるお客さまサポート
AIを活用し、お客さまそれぞれの投資に関するお悩みの解決に向けたサポートを実施。
⑤STO(セキュリティ・トークン・オファリング)等の次世代金融商品の取り扱いやはり来た。
・マネックスは新生と関係を深めていたが、SBIが新生を子会社化したこと
・ドコモは、ヤフーがPayPay証券・銀行、auがカブコム・じぶん銀行、楽天が楽天証券・銀行と金融系を持っているのに対して、金融系が手薄
という状況があった。
<追記>ストラクチャーが興味深い。中核子会社のマネックス証券について、中間持株会社を作り、その持分の49.05%をドコモに465.6億円で売却(なお、マネックスHDの今日の終値時点での時価総額は約1400億円)。中間持株会社は50.95%マネックス保有だが、取締役の過半はドコモ。
上場しているマネックスHDの株主は、利益取り込みが減るが、それ以上にdポイントなどの経済圏での成長を企図。あとは今回のドコモへの持ち分売却を原資に株主還元。
なお、マネックスの株主は昔からの業務資本提携先である静岡銀行、あとは松本氏が資産管理会社と個人で9%、リクルートが2.2%など。
新生銀行とは業務提携であって資本提携ではなかったので、ここはやめていくのだろうか?
発表資料:https://bit.ly/46BPh4m
<追記終>ドコモとマネックスが資本提携というニュースを聞いて、「おーっ!」とは思いました。ただ、KDDI、ソフトバンク、楽天を見ていると、必ずしも通信業と証券業のシナジーは効いてないように感じます。ドコモに限らずですが、新たなサービスが生まれてくるか注目したいです。