2023/10/3

【打倒中国】「太陽光パネル」製造に米国が本気を出している

NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。火曜日は「Behind the Scene(ニュースの裏側)」です。
INDEX
  • 多額の補助金投じる米政府
  • 低コストよりも「脱中国」
  • 「次世代型」開発という選択
  • 廃業ラッシュにも負けず
  • パネル製造と「強制労働」

多額の補助金投じる米政府

オハイオ州、トレド近郊のペリーズバーグにある工場では、米国内のほかの会社がとうの昔に製造中止したものを20年以上作り続けている──太陽光パネルだ。
工場の親会社はファースト・ソーラー。太陽光パネル製造の大部分が中国へ移ったときも、持ちこたえた会社だ。
同社の取り組みは、ジョー・バイデン大統領が目指す国内グリーンエネルギー産業拡大の実現性を理解するためにも大いに参考になる。
2022年、バイデン大統領と民主党は太陽光パネル、風力タービン、バッテリー、電気自動車、半導体の製造に対し、政府から数千億ドルの補助金を支給する施策を議会で可決した。
これまで米国が試みた中でも特に幅広い産業政策である。
その結果、ファースト・ソーラーをはじめ多くの企業が、国内各地に何十もの工場を建設すると発表した。
ペリーズバーグの太陽光パネル工場の内部(写真:Daniel Lozada/The New York Times)