過度な変動あればあらゆる手段排除せず適切に対応=円安で鈴木財務相
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変動相場制を採る先進国にもかかわらず、日本ほど「為替介入」がニュースのネタになる国は、他に無いように思います。財務相が注意深く言葉を選んで述べておられるように、変動相場制を採用している以上、為替介入はあくまで極端な変動に対応するための異例の措置であり、これにより特定の「水準」を守ろうとしていると受け止められると、日本が「為替操作国」と認定されてしまいます。
現在、米欧がインフレ圧力に基本的に金利引上げで対応しているのに対し、日本は金融緩和は継続する一方で財政支出(エネルギー補助金)で対応しようとしている訳ですので、内外金利差拡大(⇒米ドル等への資金フロー増)およびエネルギー輸入増といったルートから、トレンドとして円安方向の力が働きやすいこと自体は当然想定すべきとも言えます。そうしたメカニズムを包括的に捉えた上でマクロ政策の是非を考えないと、生産的な議論にはつながらないように思います。米国と擦り合わせて介入準備を済ませ、これだけ口先介入を強めているのに効果は限られますね・・・ 投機的な動きというより政府・日銀が挙って進めた円の価値の毀損策がじわじわ浸透してきた結果であるように感じます。政府が借金頼みの財政拡張策で日本の成長力を超えて円をばら撒き、日銀が量的緩和でそれを支えているのです。溢れた円の価値が下がるのは当然で、為替介入で一時的に円高を演出しても、円の価値の下落は止まりません。介入して押し戻されることを繰り返せば円への信認は落ちて行く。さてどうするか。悩ましいところじゃないのかな (・・?
現在、ドル高地合いとなっており、仮に為替介入を実施した場合も、上昇トレンドに影響を与えることは難しいと思われます。例えば、昨年9月22日の介入時、145.90の高値から当日中に140円台前半まで約6円の下落をみましたが翌日から持ち直して反発。10月21日にかけて151.94の高値まで反発しています。こうした経緯も踏まえ、介入のタイミングを計りかねているのかもしれません。また、水準を除けば値動き自体は緩慢でボラティリティは低いままです。「投機的な動きに介入で対応した」との説明が少ししづらい状況でもあります。とは言え、水準も無視はできず、いつ介入が入っても不思議ではないと思われます。