【レイ・ダリオ】引退から1年、ファンドの帝王に復活の兆し
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レイダリオと自身の会社のブリッジウォーター・アソシエイツの事情を取材した、ニューヨーク・タイムズの面白い記事ですね。
ダリオが「引退」した昨年以降、彼はメディアでよく注目を浴びるようになりました。
今年6月のカンファレンスでは、「現在は債務をつくり過ぎている一方で買い手が不足しており、米国は後期ビッグサイクルの債務危機の始まりにある」と述べたり、米ドルを基軸とする世界は終わりつつあり、米国と中国は人権や貿易、競争、テクノロジーなどで衝突しており、両国は「危険なほど戦争に近づいている」と述べたりするなど、世界経済、国際政治に関する洞察が注目されています。
彼の著作は多く読まれてきており、世界秩序の変遷・サイクルについて書いた、『世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか』(2023年9月)は読みごたえがありますし、記事に紹介されている『PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則 』は米国はもちろん、日本でも多く読まれた本ですね。
『プリンシプルズ』では、ダリオは、社員の考えを引き出すようなアイデア本位主義を勧めたり、透明性を謳っています。ブリッジウォーターでは『イシュー・ログ』(問題の記録)と呼ぶツールを取り入れ、従業員が何か失敗したときに必ずそれを書き留めることで、問題を目に見える形にし、皆が学べるようにするツールを導入しました。
また、彼はリーダーを管理し、制限をするためのガバナンス・統治の重要性を強調しています。彼が承継に一度失敗に二度目の準備を行っている際、経営の専門家に助言を仰ぎ、事業承継を監督するガバナンス理事会を設置する必要があることを学んだようです。また、リーダーの視点や才能は、その人が経験したことのない役割にまで、いきなり発揮されるものではないことを学んだとも報じられています。
ダリオがリーマンショック以降、事業承継に苦労しながら、ようやく昨年退任を実現しました。それから約一年しか経っていないうちに復帰するとすれば、それは小休憩だったかのように見えてしまいますが、当事者しか知らない事情があるのかもしれません。いずれにせよ、彼の主張と、彼自身の行動という照らし合わせるという意味でも、今後の展開が気になるところです。