2023/9/23

【データ分析】日本人はどれだけ「貧しく」なっているのか

NewsPicks NY支局長
このコラムは、世界のビジネス、テクノロジーのコンテキストを学びつつ、ついでに英単語も一つ覚えられるお得な連載です。
INDEX
  • 貧する欧州、裕福になる米、日本は?
  • まず、平均賃金を比べる
  • まさかの日本の順位…
  • 日本の「最終消費」で見てみる
  • GDPが一番顕著だった

貧する欧州、裕福になる米、日本は?

この3週間、このコラムでは、ChatGPTの「データ分析官」のプラグインを用いて、データ分析素人の筆者がAIと格闘しながら、これまででは絶対作れなかった複雑なチャートを作成する様子をお伝えしてきた。
とはいえ、かっこいいチャートを作ることが目的になってはしょうがない。
世にあるデータを用いて、解き明かしたいファクトや傾向、もしくは伝えたいストーリーがあってこそ、データ可視化の意味は増す。
ちょうど気になる記事があった。
Europeans Are Becoming Poorer. ‘Yes, We’re All Worse Off.’
ヨーロッパ人は貧しくなっている。「そう、我々はみな悪化している」)
これは、米ウォール・ストリート・ジャーナルが2カ月ほど前に配信した記事だが、タイトル通り、ヨーロッパの国々がいかに経済的に落ち込んでいるかを、むしろ裕福さを増しているアメリカとの対比で描いている。
そして、👆の引用のように、記事中ではいくつかのチャートが掲載されている。
いずれも、OECD(経済協力開発機構)や世界銀行、IMF(国際通貨基金)などの公的な機関のデータを用いて、時系列に沿って、いくつかの指標を基に欧州各国と米国の経済の比較を試みている。
国が貧しくなっている──。
というのは、近年日本国内でも、かなり話題になるトピックだ。GDP(国内総生産)などのマクロ経済的な意味だけでなく、ちょうど昨年来の円安が続くことで「安いニッポン」「海外高すぎ」という消費者文脈でも多くの人が感じていることではないか。