【SHEIN】謎多きブランドの実態/IPOの可能性は?
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環境への負荷、労働環境への未配慮、乱発されているパクリ問題などは、いずれも「外部コスト」として整理することができます。
環境破壊した分の原状復帰に必要なお金や、パクられた相手が本来であれば得られた収益を毀損して、つまり本来であれば負担しなければならないコストを外部に着せて事業を展開している状況です。
これらの問題を生まないように事業展開しているブランドや小売からすると「何か一社だけ手を使っても良いことになってるサッカーチームがあるんですけど…」という状況で、競争の公平性を欠いているように感じられます。
これを是正する手段が大きく2つあります。
1つは消費者がそっぽを向くこと。消費の倫理観を成熟させて、資本主義にインストールすることです。しかし「とにかく安くてかわいいアイテム」への消費行動を、特に若年層を中心に抑えることは現実問題としてまだできません。
もう1つは法律やIPOの条件など、自由競争の原理ではない部分でルールとして規制をかけることです。目先はこちらが現実的な対応策になるかと思います。服が好きなSHEINユーザーです。SHEINはとにかくデザインとカラーバリエーションが豊富で、個性的な服をよく着る私にとっては「組み合わせを豊かにしてくれる良いサービス」という感じです。確かに布は薄いのですが、ものを選べば1000円台でも美しく見える洋服はたくさんありますし、小物も含めたら高見えするものも多い。
個人的にはデザインの転用についてはもう少し議論されるべきだと思います。日本国内でも、数万円する洋服をつくっているブランドのデザインを真似して、数千円で売っている(ようにみえる)アパレルブランドもあります。人の発想やものづくりへの思いが守られる社会になってほしいです。2021年1月にユニクロでも、強制労働の疑いのある新疆ウイグル自治区で生産された綿花を使用した製品として、シャツが米税関で止められたことがありましたよね。ファーストリテイリングは倫理に反する綿花を使用していないと説明しましたが、十分な証明が示されていないということで認められませんでした。
やっていないことの証明は、やっていることの証明よりも難しいです。公正な労働環境や適切な環境管理を含めた、現場管理と情報管理が、あらゆるジャンルのものづくりで必要になってきていますが、これが現代の最大のチャレンジのひとつだと思います。
AIを駆使した情報収集やものづくりをしても手作業がなくなるわけではないですし、労働環境の整備やトレーサビリティの担保にもお金がかかります。「異様に安い」というのは「何かが怪しい」という風に捉えられかねないと思います。