2023/9/12

【解説】新国際情勢のキープレーヤー、インドの「処世術」

NewsPicksでは週7日毎日、世界のトレンドの背景を追うシリーズを開始しています。火曜日は「Behind the Scene(ニュースの裏側)」です。
INDEX
  • BRICS躍進の「歴史的」な一歩
  • 「中国主導」につのる危機感
  • 「インド派閥」を形成せよ
  • 米国とグローバルサウスの溝
  • 加速する「西側離れ」の中で

BRICS躍進の「歴史的」な一歩

インドはグローバルサウスのリーダーになろうとすることで、BRICSが反欧米同盟になるのを防ぐと同時に、BRICSの主導権を握ろうとする中国に対抗できるだろう。
だがインドは米国寄りになっているため、最終的にはBRICSから疎外される可能性がある──これがアナリストたちの見方だ。
先月末、南アフリカのヨハネスブルグで開催されたBRICS首脳会議で、新たに6か国の加盟が発表された。この決定は、国際秩序を再構築し、米国とその同盟国に対抗するための動きとみられている。
来年1月から、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)が、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に加わることになる。中国の習近平国家主席はこの新規加盟を「歴史的」だとたたえた。
中国政府は何年も前から、国際社会でグローバルサウスがより強い発言力を持つための方法として、BRICS拡大を提案していた。
(Per-Anders Pettersson/Getty Images)