2023/8/28

【吉原大介】パレスホテルの創業家。社長の「遠回り」人生

NewsPicks編集部
人生の「探求者」たちのエピソードから、自分らしく、しなやかに生きるヒントを探る連載「Life Quest(ライフクエスト)」。

今回登場するのは、パレスホテル代表取締役社長、吉原大介さんだ。

1960年に創業された「丸の内1-1-1」に位置する歴史あるホテル、パレスホテル。

その「創業家」と聞くと順風満帆な人生だと思われるが、決してそうではない。「挫折の連続」の日々だったという。

数々の失敗や挫折を経て、どのように社長に就任するに至ったのか。社長として、パレスホテルをどのように舵取りしていくのか。

学生時代から社長就任後の現在に至るまでの人生を深堀りし、「遠回り」の軌跡を辿っていく。(
全5回
吉原大介(よしはら・だいすけ) / パレスホテル代表取締役社長
1978年生まれ。2011年株式会社パレスホテルに入社。16年米国コーネル大学大学院を卒業。20年に代表取締役社長に就任。
INDEX
  • 既定路線ではなかった
  • 挫折し、悩み、考えた
  • 甲子園をかけたマウンド
  • もう夢を諦めたくない

既定路線ではなかった

皆さま、はじめまして。株式会社パレスホテルの社長を務めております吉原大介です。
パレスホテル東京の住所は、東京都千代田区丸の内1-1-1。東京の中心地、ビジネス街・大手町に立地するラグジュアリーホテルです。
その名の通り、パレス(皇居)に隣接しており、国内外、ビジネス、観光問わず多くのお客様が訪れてくださいます。
この地でホテルビジネスが始まったのは、1947年。林野局の庁舎を改装して国営ホテルのホテルテートが開業されたことがきっかけです。
これはGHQ(連合軍最高司令部)が海外バイヤー専用ホテルの開設を準備すべしと政府に通達したことによります。
1959年に土地建物が払い下げられ、新しくパレスホテルが建設がされ、経営を担ったのがパレスホテル創業者で私の曽祖父である吉原政智で、私は6代目の社長にあたります。
創業家と聞くと、早くから会社を継ぐことが既定路線のように思われるかもしれませんが、決してそうではありませんでした。