2023/8/12

【沼田晶弘】方法にとらわれるな。自由研究で養う「考察力」

NewsPicks for Kids編集長/NewsPicks Studios
NewsPicksが昨年8月に創刊した、まったく新しい子ども向け新聞「NewsPicks for Kids」
今の子どもたちが社会で活躍するようになる2040年ごろには、多様な他者と対話・協調したり、新しい問いを立てて解決したりする力が、ますます必要になると予想されます。
そのために必要な「ミライの学び」とは何か? 私たち大人は、自分たちが受けてきた「過去の学びの常識」を、いかにアップデートしていけばいいのか?
本連載「Next Edu」は、自身も小学生を筆頭に3児の親である「NewsPicks for Kids」編集長の筆者が、さまざまな有識者の方々に話を伺いながら考え、探求していく企画です。
第8回のゲストは、子ども自身の自主性を引き出す「MC型教師」として、その授業スタイルが注目を集めている、東京学芸大学附属世田谷小学校の沼田晶弘先生です。
自由研究に関する著書も多く手がける沼田先生に、この夏、家庭で養える「子どもの考える力」について伺いました。
INDEX
  • 研究の種は「自分の中」にある
  • 「自由研究=サイエンス」の思い込み
  • 「手伝いは風呂洗いだけ」がダメな理由
  • 世の中と学校のズレをなくす

研究の種は「自分の中」にある

金谷 沼田先生は、自由研究に関する本を数多く出版されていらっしゃいます。そもそも沼田先生が考える自由研究とは、どのようなものでしょうか。
沼田 昆虫を採集してピンで留めたり、家族旅行で撮った写真を集めて、自由研究として提出するケースがよくありますよね。
しかし、これは実は「研究」になっていません。
研究には、身の回りの「なぜ?」に対して自分で仮説を立てて、それが正しいかどうかを検証していくプロセスが必要です。