[3日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムが3日示した第2・四半期決算は、売上高と利益が市場予想を上回った。配送の効率化やクラウドコンピューティング事業の逆風が和らいだことが寄与した。

引け後の時間外取引でアマゾンの株価は7%余り上昇。時価総額は少なくとも900億ドル増加した。

第2・四半期の売上高は11%増の1344億ドルと、市場予想の1315億ドルを上回った。純利益は67億ドルで予想のほぼ2倍となった。

クラウドサービスとインターネット通販で世界最大手の地位を維持したいアマゾンは、人工知能(AI)で先行するグーグルやマイクロソフトに対抗する独自サービスを最近打ち出した。

ネット通販事業では配送網を再編し、大都市圏に近い場所に即日配送のための倉庫を開設して配送にかかる時間とコストを削減している。

ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は記者会見で、配送時間短縮で有料サービス「プライム」の会員がより頻繁に買い物をしていると述べた。

クラウドサービス部門「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上高は12%増の221億ドル。予想の約217億ドルを上回った。

景気を巡る懸念から企業がクラウドサービスの価格に敏感になる中、AWSの売上高はここ数カ月で伸びが鈍化していた。オルサブスキー氏はこうした「コスト最適化」の動きは続いているものの、大企業が改めてクラウドを取り入れ、春から夏にかけて同部門を押し上げたと語った。

アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は「AWSの伸びは安定した」と指摘した。

CFRAリサーチのシニア株式アナリスト、アルン・スンダラム氏は同部門の業績について、生成AIを含めアマゾンが競争に持ちこたえていることを示すものだと分析した。

一方、インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、トーマス・モンテイロ氏は「今後、アマゾンにとって大きな問題の一つはAIをコア事業とクラウド事業に押し込めるかどうかだ」と指摘。「投資家はアマゾンの事業におけるAIの実用化をまだ目にしていない。第3・四半期は各社がその面で結果を示し始める必要がありそうだ」と述べた。

第3・四半期の純売上高見通しは1380億─1430億ドルとした。7月に実施した有料会員向けセール「プライムデー」の売り上げが好調だったことが背景にある。リフィニティブのまとめたアナリスト予想は1382億5000万ドル。