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【ジャック・アタリ】欧州の知性が語る、これからの世界秩序

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    「多極世界」というのは、ロシアのプロパガンダです。
     冷戦時代は、ソ連のGDPは世界2位であり(今となっては疑わしいですが)、米国と世界を2分するというハッタリを打ち出していました。
     今やロシアのGDPはせいぜい世界6位であり、さすがに世界を2分するというのは信じてもらえません。そこで打ち出したのが「多極世界」です。
     ナンバー1にはなれなくてもいい、でも「ユーラシア」のナンバー1とか、中東のナンバー1とか、南アジアのナンバー1とか、そういうのに心惹かれる国々、イランとかインドとかが、「多極世界」のプロパガンダに乗せられています。
     アタリ氏の「一部の権威主義の国の政権が、民主主義国家に対抗する連合体を作るために、グローバル・サウスという概念をアピールしている」というとおりです。実体としては、そんなものはありません。

    なお、中国は、目指すところが「東アジアのナンバー1」程度ではさすがに分け前が小さすぎると思っているので、ロシアの言うことはほどほどに聞いていて、本気では乗っかりません。

    フランスというのは、1960年代のド・ゴール時代、ソ連と内々に話をつけることで、第3極になろうとした国です。
     当時のフランスのGDPは世界第5位だったので、ソ連と組めば2位・5位連合で、第3極も狙える、という皮算用でしたが、実際はそれから低落一直線でした。
     米国のGDPが世界経済全体に占める割合が相対的に少なくなっているのはそうですが、1位には違いなく、それをいうならフランスはもはや10位であり、これからさらに低落していきます。

    ドイツならまだ経済で勝負する余地もありますが、フランスあたりは、もはや「価値観」しか勝負の道具がありません。
     人権とか環境といった。
     これらで勝手にゴールポストを設置して、やいのやいのと言って、他国の経済を制限する、というのがフランスあたりに残された勝負の手段です。
     しかし、ロシアはもちろん、中国もインドも中東、アフリカ諸国も、このゴールポストは無視します。
     今はまだフランスは米国に後押ししてもらっていますから、こういう価値観の旗振り役をやっていられますが、これから先米国の後ろ盾がなくなればどうしようもなくなります。
     結局は、米国と中国の対決にかかっています。


  • NewsPicks 記者

    本特集では、アメリカのパワーが絶対的なものから徐々に相対化されていき、インドを始めとするグローバル・サウスが地域大国として力を持つ時代が訪れると伝えてきました。
    取材期間の最終盤でお話を聞いたジャック・アタリ博士もまた、この「分散型の秩序」に移行するという見立てを持っていました。

    ただ、かなり驚きに満ちたインタビューでした。それはアタリ氏が非常に楽観的だったからです。アタリ氏は、新たなパワーが成長してくることは歓迎すべきだとしつつ、彼らの中でも民主的な勢力を仲間に引き込むことを提唱していました。
    そして、民主主義という価値観が、いつかは権威主義に勝利する未来を予測していました。グローバルサウスが西側諸国から離れていっている今日日、民主主義などという価値観ではなく、実利こそが重要だという意見が主流に思えます。しかし、アタリ博士はあくまで民主主義の価値を強調していました。

    いわゆる「先進国側」「欧州列強」の代表的な一角であるフランスという国で、特にアフリカを中心に途上国と多くの経験をともにしてきただけに、とても重い予測だなと思って聞いていました。ぜひご一読いただければ幸いです。


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    ジョーシス株式会社 シニアエコノミスト

    そういう意味では、開かれた地域主義がアジャイルに運用されていくことになるのではないかと思っていますし、ある意味でASEANはそうした地域国際機構となってきた。それは組織と各国の国の成り立ちが故に。

    また、民主主義と権威主義という議論は重要と思われるものの、それだけで二元論的には切りきれない。民主主義国家にもトップによっては権威主義的な方向に触れるし、権威主義国家でも奇妙なところで民主主義的であったりもする。

    なんとなく、グローバルサウスは権威主義集団みたいな感じで捉えているのを、そこはかとなく感じるのですが、グローバルサウスと言われている国の方を長らく観てきた人間からすると、そうでもないと思います。それに、いわゆる民主主義先進諸国と新興国は、経済発展と社会課題発生の時間軸が違うし、多くの国が植民地支配によるゆがんだ経済を強制されてきた。これに対する闘争の歴史は未だに続いている。それを、ものすごい長い時間をかけて、ベストにはならないが、ベターであろう体制を模索して、「成熟国家」と言われる状況になった国の視点からグローバルサウスをみていても、違うものしか見えてこない気がします。

    そして、権威主義的なリーダーを選ぶ民衆は何なのか。彼らにも理由がある。単なる政治家のプロパガンダで票を入れるような愚かな有権者ばかりではない。このあたりは、地域研究者が実地に入って様々な論文を書いています。日本語でも結構読めますよ。私はフィリピンのスラムに研究者と行き、同エリアのバックグラウンドについて話しを聞いたときや、マレーシア総選挙の地方での選挙運動の視察などが原体験となっています。

    あと、独裁と権威主義ないし権威主義的、は、丁寧に分けて論じた方が良いかと思います。


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