ドル140円台に下落、6月16日以来約1カ月ぶり=東京外為市場
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雇用統計は賃金が高い伸びを示した一方、雇用者の増加幅は前日のADPに比べて迫力を欠きました。従って、7月利上げはほぼConfirmされたものの、その後については、今後の経済指標に判断が持ち越されたと言えます。この結果、145円超えを狙い、5年ぶりの高水準にまで構築されていた投機筋の円ショート(先物での円売りの持ち高)の解消が進行しており、円買い圧力が生じています。一方のドルは米国債利回りの低下によって下落しています。先週7月7日のNY終値と現在(7/11の14時)を比較したG10通貨(※)の強弱の順序をみますと円が2位でドルが最下位です。さて、投機筋の人たちは売っていた円を買い戻した後も円を買い続けるわけではありません。これは、低金利通貨を買う(=金利が高い外貨を売る)と金利差が逆ザヤとなり、持っているだけで日々、コストが生じるからです。そうするのは、強い円高ビューを持てる時。残念ながら貿易赤字、日銀の緩和姿勢継続、インフレ高進(実質金利の低下に相当)など、円安材料は消えておらず、このままドル円が下がり続けるとは考えにくい状況です。他でもコメントしていますが、今月のメインイベントは月末の中銀ウィークです。27日午前3時に米FOMC、21時15分にECBがそれぞれ結果を発表し、翌日の昼ごろ日銀と続きます。FRB、ECBはおそらくある程度のインフレ警戒姿勢を示す(即ちタカ)でしょうから、注目は日銀です。ハトのまま(YCC温存)なのか、ハトのまま少しタカの素振りを示す(YCCの微調整)のか・・・。因みに植田総裁はYCC修正に関して、サプライズやむ無しのスタンスです。
(※)USD、JPY、EUR、GBP、AUD、NZD、SEK、NOK、CHF、CAD