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[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は28日、欧州中央銀行(ECB)が主催する国際金融会議「ECBフォーラム」で、大半のFRB当局者が年内あと2回の利上げを見込んでいると述べ、次回7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを実施する可能性を否定しなかった。

パウエル議長は、利上げに関し「長い道のりを歩んできた」とし、6月会合での利上げ見送りはこれまでに実施した利上げが経済にどのように影響しているか見極めるためだったと説明。今後の政策判断は経済がどのように推移するかによって決定されるとし、「われわれが決定した唯一のことは6月の会合で利上げを見送ったことだ」と強調した。

同時に、FRBは将来の利上げを巡り何ら決定していないとし、今後の会合での連続利上げの可能性を排除しないと言明。年内のいずれかの時点で「追加利上げが適切となる可能性がある」とした。

次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は7月25─26日に予定されている。

パウエル議長は、インフレ率が非常に高水準で金融政策のスタンスがそのような環境に一致していないときの大規模かつ迅速なペースでの利上げは適切だったと言及。ただ、金融政策は現在、あるべき姿に近づいており、これまでの利上げがどのように経済に浸透しているか不透明なため、FRBが利上げペースを緩めることは理にかなっているとした。

一方で「政策は制約的だが、十分制約的ではないかもしれないし、十分長期にわたり制約的であったわけでもない」とし、追加利上げの可能性を残した。

一連のFRBによる積極的な利上げを受け、米経済が景気後退に陥る可能性は「最も起こり得ない」シナリオという見解を示しつつも、「可能性はかなりある」と述べた。

また、インフレ率が大幅に鈍化すれば、FRBは制約的な政策を長期的に継続する必要がなくなるかもしれないが、米国のインフレ率が今年または来年にFRBの目標である2%に回帰するとは予想しておらず、2%回帰は2025年以降になるとの見通しを示した。