[東京 27日 ロイター] - 東洋建設が27日開いた定時株主総会で、任天堂創業家の資産運用会社、ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)が提案した取締役候補9人のうち7人が可決された。一方、会社提案の取締役候補は11人中、新社長候補としていた大林東寿氏を含めた6人が可決され、新しい取締役会はYFO側が過半を占めることになった。

東洋建設は採決の結果について「株主の判断であり、尊重して受け入れる」とし「企業価値向上と株主利益の最大化を目指すことは、新しい役員構成になっても何ら変わらない。引き続き中長期的な企業価値および株主共同の利益の最大化を実現していく」とのコメントを発表した。

一方、YFOは「非公開化提案を含む企業価値向上の議論について、新たな取締役

会となったことを踏まえて改めて検討し、東洋建設との協議に真摯に臨んでいく」とのコメントを出した。

昨年は22分で終わった株主総会が、今年は約2時間の長丁場となった。

YFOは昨年、1株1000円で株式公開買い付け(TOB)を提案。しかし、東洋建設側が真摯な対応を行わなかったとして、株主総会で独自の取締役候補を提案していた。会社側は、総会前にYFO側と交渉を行っていた武澤恭司社長ら4人の退任を発表したほか、取締役候補の過半を社外とするなどのガバナンス強化策を打ち出していた。