理由は「最新エンジン」だけではない…英国―豪州の「世界最長の定期路線」を実現させたカンタス航空の奇策
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現在営業している世界最長の路線はシンガポール航空のニューヨーク=シンガポール間の路線です(ジェット気流に逆らうJFK→SINでは、時刻表のうえでは18時間50分かかります)。これもA350という最新機種のなせる業ということもできますが、A340という以前の機種でもこの路線自体は成立していました。
ヨーロッパから見た場合の地球の裏側にあたるのが流刑地でもあったオーストラリアやニュージーランドで、その経緯からカンタス航空やニュージーランド航空も長い路線を多く持っています。両社にとって旧宗主国の首都であるロンドンへの直行便は悲願とすら言えるでしょう。その熱意も並々ならぬものがあり、コロナ前の2019年10月には787を用いて同じ区間でテスト飛行を実施しています(このテスト飛行のことにこの記事で触れていないのは、僭越ながら片手落ちと言わざるを得ないでしょう)。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-21/PZPC72DWLU6G01
時差ボケを軽減できる機内食のタイミングやメニュー、エコノミー症候群予防と眠気解消を兼ねたストレッチのタイミング、その他乗務員の勤務など幅広くテストを行っていました。しかし787では営業飛行できるほどの旅客や貨物を搭載できない(重いと航続距離が短くなる)ため、A350-1000ULRという新機種の登場が待たれていました。開発の遅れもあり、とりあえず通常のA350-1000でも本来300人以上乗れる機体を238人乗りとして旅客数を抑え、重量を減らすことで航続距離を長くして直行できるように機内の座席配置が設計されました。旅客数を抑えたおかげで、一人分のスペースは広くなったので長距離路線にも耐えられるサービスを提供する意味でもニーズにマッチしました。
現行のシンガポール航空の長距離路線でも機内の座席は本来300人近く乗れるところをビジネス67席、プレミアムエコノミー94席の161席に抑えています。機内サービスは快適なものの、やはり乗客としては立って歩きたくなるようで、そうした体験談が数多く聞かれますが、もう乗らない、などといったネガティブな意見はあまり目にしません。オーストラリアの悲願の路線ですから、商業的には成功するでしょう。20時間、エコノミーで耐えることができる人は、そういないでしょうか。ビジネスでも辛い気がします。
そういった人々は、シンガポールやクアラルンプール、香港でのトランジットを選択するように思います。
時間をカネで買う人々は、20時間の直行便を選ぶのでしょうね。カンタス良いね!まだ事故歴がなく安全記録更新中のエアラインなので信頼性がある。
20時間は凄いね!現在No.1が、シンガポール航空のシンガポール→ニューヨークが最長には驚いたが、20時間!夢がありますね。いつか、日本→ブラジルを直行便で22時間くらい?飛ばしてほしいなぁと思っています。